国際的にブランド価値の高い台湾企業を表彰する中華民国対外貿易発展協会(TAITRA)の「台湾国際ブランド企業20社」で、2008年度は趨勢科技の「トレンドマイクロ」が華碩電脳の「ASUS」を僅差で抑えて2年ぶりに1位に返り咲いた。20社のブランド価値の総額は91億4,100万米ドルで、前年比8.2%成長した。1日付経済日報が報じた。
授賞式であいさつする馬英九総統。産官学提携でブランド育成に注力する政府の方針を説明した(30日=中央社)
「国際ブランド企業」はTAITRAが2003年から発表しており、今年で6回目となる。初年度から4年連続で「トレンドマイクロ」が首位に輝いていたが、昨年は「ASUS」が1位に選ばれていた。今年は「トレンドマイクロ」がブランド価値13億2,600万米ドル、「ASUS」が13億2,400万米ドルのわずか200万米ドルの差で逆転し、再び首位の座に就いた。
趨勢科技の陳怡華グローバル執行長(CEO)は、6年のうち5年で1位を獲得できた理由として「事業の特化」を挙げた。特化には困難もあるが、投資を分散すれば、ブランド価値が薄まってしまうという考えを示した。なお、昨年2位に後退したのは「新技術への投資拡大で利益率が下がったため」と説明した。
4社がトップグループ
今年のランキングでは、3位「エイサー」(12億6,500万米ドル)、4位「HTC」(12億200米万ドル)までの4社がブランド価値12億米ドル以上となった。ここまでがトップグループで、5位は「康師傅」の7億9,300万米ドル。6位の「MAXXIS」(3億4,600万米ドル)以下は4億米ドルに満たない。
今年新たに20位以内に入ったのは浴室衛生設備の「Danze」(16位・成霖企業)、マザーボードの「MSI」(19位・微星科技)と「BIOSTAR」(20位・映泰科技)の3社。成霖は昨年「潜在力の星」として表彰を受けている。一方、「BenQ」(明基電通)は20位圏外に落ちた。
また、新たに10位以内に入ったのはIT製品販売の「SYNNEX」(9位・聯強国際)と産業用パソコンなどの「Advantech」(10位・研華科技)で、それぞれ前年の11位、13位から順位を上げた。
世界100位以内に台湾ブランド
王志剛TAITRA董事長は、ブランド評価の英コンサルティング会社、インターブランドの世界100大ブランドの統計に韓国が3社、日本が8社入っていると指摘しつつ、「10年に台湾ブランドを同ランキングに入れることが目標だが努力が必要だ。しかし、5年以内であれば結果が出せる」と語った。
「国際ブランド企業」は、設立10年以上で、経済部智慧財産局に自社ブランドを登記して3年以上、年間売上高50億台湾元(約164億5,000万円)以上で、売上高の3分の1以上が海外市場からもたらされる企業が評価対象となる。
ブランド価値は、財務分析によってその企業の売上高からブランドによってもたらされる無形収益を計算し、さらに細かい分析を加えて算出する。