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友達と奇美、Q4は赤字確実


ニュース 電子 作成日:2008年10月8日_記事番号:T00010779

友達と奇美、Q4は赤字確実

 
 世界的な消費不況を受けて、サムスン電子とソニーの大手ブランドメーカーが台湾パネルメーカーへの液晶テレビ用パネルの発注を、前期の約半分の水準に減らす。この結果、友達光電(AUO)と奇美電子(CMO)の大手2社は第4四半期、減産幅を20~30%へと拡大させる見通しとなり、赤字計上は避けられないもようだ。8日付工商時報などが報じた。

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 工商時報によると、サムスンとソニーは第4四半期の発注大幅削減を既に連絡したとされるが、友達と奇美は「個別の顧客については話せない」とコメントを避けた。しかし、第4四半期も引き続き減産を続けることは明言した。減産幅については、今後の業績説明会で明らかにするとした。

 サムスンとソニーによる発注削減は、米国の金融危機に端を発した世界的な消費不況が原因だ。今年、北米市場は一貫して振るわなかったが、証券大手リーマン・ブラザーズの破綻(はたん)など金融危機の勃発(ぼっぱつ)後、欧州市場でも液晶テレビの週間販売台数が20%下落。中国も10月初頭の国慶節連休期間、液晶モニターや液晶テレビの販売状況が期待された水準に達していないもようだ。両社はこうした状況を受けて、10月からパネルの在庫管理により慎重を期することを決めた。

 サムスンは北米と欧州の液晶テレビ市場で首位で、市場調査会社ディスプレイサーチによると、シェアはそれぞれ19%、28%となっている。ソニーも北米9%、欧州10%のシェアを占め、5位以内に位置することから、両社からの受注減がパネルメーカーに与える影響は大きい。

部材調達を10%削減

 台湾パネル大手はこのため、パネル部材の調達削減を急きょ決定したようだ。10月の削減幅は10%で、11月、12月はさらに削減を進める可能性がある。

 ある業者によると、第3四半期に平均で80~90%だったパネル各社の生産能力利用率は第4四半期さらに落ち込み、減産幅は20~30%に達する恐れが出ている。このため売上高は10月以降、15%以上の大幅な落ち込みを記録するという見方が証券会社より示されている。

友達、9月は7%減収

 友達が7日発表した9月の連結売上高は、前月比6.8%減、前年同月比35.7%減の345億6,300万台湾元(約1,080億円)だった。大型パネルの出荷枚数は前月比3.3%減の702万枚、中小型パネルは9.1%増の2,268万枚だった。

 第3四半期の連結売上高は前期比15.55%減の1,043億1,400万元となり、過去6四半期で最低だった。大型パネルの出荷枚数は、前期比5.2%減の2,072万枚で、中小型パネルは45.9%増の6,112万枚だった。友達は、液晶テレビ向け出荷は予測通りだったが、パソコン・モニター向け出荷が予測を下回ったとしている。

 奇美電の9月の連結売上高は、前月比6%増の302億元だった。大型パネルの出荷枚数は、前月比12.4%増の670万8,000枚で、中小型パネルは2.6%増の1,242万6,000枚だった。第3四半期の連結売上高は前期比14.1%増の820億元で、大型パネル出荷枚数は前期比6.1%減の1,751万2,000枚、中小型パネルは53.5%増の3,301万4,000枚だった。