ニュース 政治 作成日：2023年3月22日_記事番号：T00108050
台湾有事総統府は21日、蔡英文・総統（民進党）が29日～4月7日に、中米の友好国、グアテマラとベリーズを訪問すると発表し、経由地として米国のニューヨークとロサンゼルスに立ち寄ると説明した。蔡・総統の訪米は4年ぶり、2016年の就任以来7回目。外遊日程の発表に経由地の米国を含むのは異例だ。ロサンゼルスでは、ケビン・マッカーシー下院議長（共和党）と会談するとみられている。中国外交部の汪文斌・報道官は21日、いかなる名義や理由でも米台の公的な往来に強く反対すると述べ、米国に厳正な申し入れを行ったと述べた。22日付聯合報などが報じた。
蔡・総統の今回の外遊は「民主主義のパートナーとの共栄の旅」の位置付けだ（21日＝中央社）
蔡・総統は29日に台湾を出発し、30日からニューヨークに2泊し、4月1日にグアテマラ、3日にベリーズに到着する。5日からロサンゼルスで2泊し、7日に帰台する。
マッカーシー米下院議長との会談の有無など米国でのスケジュールについて問われた外交部の俞大㵢・次長は、米国でのトランジット（乗り継ぎ）のスケジュールは確定次第、説明すると答えた。
昨年8月にナンシー・ペロシ米下院議長（民主党、当時）が台湾を訪問した直後、中国は台湾周辺で大規模な軍事演習を実施した。中国の軍機はその後も常態的に、事実上の停戦ラインといわれる台湾海峡の中間線を越え、軍事的圧力をかけている。
米ウォールストリート・ジャーナル（WSJ）の報道によると、バイデン政権の高官は20日、台湾の歴代の総統が、米国の大統領の任期中に経由地として米国を訪れるのは慣例通りで、北京当局はこれを理由に台湾海峡での活動を強めるべきではないと語った。
ホンジュラス、外遊中に断交か
発表された外遊日程に、中米の友好国のホンジュラスは含まれていなかった。ホンジュラスのシオマラ・カストロ大統領が先日、中国との外交関係を樹立する方針を示したことに関連し、呉斯懐・立法委員（国民党）は21日、ホンジュラスの元高官からの情報では、台湾との断交は決定的で、蔡・総統の外遊中に発表される可能性があると語った。
中国外交部の汪・報道官は、ホンジュラスが国際情勢を認識し、歴史に合った正しい決定を下すことを歓迎すると語った。
馬前総統、同時期に訪中
馬英九・前総統（国民党）は3月27日～4月7日に訪中する。蔡・総統の外遊とほぼ同時期だ。
総統府の張惇涵・副秘書長は21日、それぞれ本質が異なると指摘した。また、蔡・総統は昨年の双十節（建国記念日、10月10日）の演説で、新型コロナウイルスの感染状況が落ち着き、水際対策が緩和されれば、両岸（中台）間の交流を回復させたいと述べており、総統府は馬・前総統が訪中に関する文書を提出後、関連機関に協力を要請していると説明した。
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