ニュース 電子 作成日:2023年3月24日_記事番号:T00108101
半導体業界関係者によると、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は、欧米などの顧客に対し、TSMCの中国の江蘇省南京工場や上海工場で生産していた受注を、台湾生産に切り替える場合、指定料として受託生産価格に5~10%を上乗せするようだ。米国の対中半導体輸出規制が今後さらに強化され、生産できなくなるリスクを考慮し、欧米などのブランドが、中国以外に発注先を変更する「中国外し・中国離れ」を進めていることが背景にある。24日付電子時報が報じた。
TSMCの南京12インチウエハー工場(TSMC提供)
業界関係者によると、米パソコン大手、デルは、3年以内に中国の半導体メーカーが中国で生産した半導体の搭載を取りやめる考えで、欧米や台湾の半導体メーカー大手に対し、中国のファウンドリー最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)やTSMCの南京工場への生産委託計画を、台湾などのファウンドリーに徐々に切り替えるよう通告したようだ。HPやアップルなど複数のブランドも検討を開始したとされる。
クアルコムは早くも1年前から、SMICへの生産委託を大幅に減らし、TSMCや聯華電子(UMC)、TSMC傘下の世界先進積体電路(VIS、バンガード・インターナショナル・セミコンダクター)などに発注先を切り替えているとされる。中国の半導体メーカーさえも最近、発注先の変更を進めているようだ。
UMC・VISにも転注
UMCは、クアルコムやIDM(垂直統合型の半導体メーカー)大手の転注を引き受けている。台湾の工場以外に、日本工場やシンガポール工場の生産も、長期契約を締結したようだ。
VISは、クアルコム、アナログIC大手の米アナログ・デバイセズ(ADI)、モノリシック・パワー・システムズ(MPS)などの欧米メーカーと、電源管理IC(PMIC、パワーマネジメントIC)の受注や量産時期について協議している。VISは顧客に対し、短納期の緊急受注でなく、長期契約を締結すれば、引き受ける意向を示しているようだ。
VISは、中国の半導体メーカーからの受注も増加している。中国の顧客の売上構成比は1~4%から、年内に10%に拡大する見通しだ。
業界関係者によると、力晶積成電子製造(パワーチップ・セミコンダクター・マニュファクチャリング、PSMC)への転注は少ない。
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