台北地検は15日夜、台北市の南港展覧館をめぐる不正入札疑惑で検察に出頭した余政憲元内政部長（民進党）を入札妨害の疑いで逮捕した。余容疑者は同日朝、高雄空港から出境を図ろうとしたため、急きょ出境禁止処分を下され、そのまま台北地検に出頭した。16日付中国時報が伝えた。
余政憲元内政部長
余容疑者は2004年に行われた南港展覧館の建設業者選定で、建設大手力麒集団の郭銓慶前董事長に業者選定委員会の委員リストなどを流し、同社が贈賄工作を行うのを助けた疑い。
検察は余容疑者がリストを漏えいした背景には、陳水扁前総統夫人の呉淑珍被告（横領罪などで起訴済み）からの圧力があった可能性が高いとみて追及する方針だ。
余容疑者は友人や助手とともにマカオへ出境するため、航空機に搭乗した状態だった。入管当局は余内政部長が出境禁止リストには含まれていなかったため、いったん出境を認めたが、同時に台北地検に指示を仰ぎ、連絡を受けた担当検察官が出境禁止処分を決定した。
余容疑者は上海にカーレースを見に行く途中だったといい、処分に意外な表情を見せながらも協力的な態度で検察の指示に従ったという。
