台北市政府は27日、台北文化体育園区（台北市信義区）のドーム型スタジアム、台北大巨蛋（台北ドーム）は11月14日、18日に試験営業後、12月3日に野球の国際大会、アジア野球連盟（BFA）アジア選手権の試合を開催すると発表した。総座席数は合計4万席。2年目からは野球などのスポーツの試合を毎年30回開催する計画だ。28日付聯合報などが報じた。

台北ドームは、台湾最大の330平方メートルのスクリーンを設置した（27日＝中央社）

　台北ドームは10月20日に台北市政府が使用許可を発給し、蒋万安・台北市長らが27日に現地を訪れ、始球式を行った。11月14日は非公開で、18日は一般客1万2000人を無料招待して試験営業を行う。社会人チームの台北興富発棒球隊（台北ハイウェルス）が試合を行い、座席の色が選手のプレーに影響しないかなど、選手の意見を取り入れて改善する方針だ。

　施工業者の遠雄集団（ファーグローリー・グループ）の楊舜欽・副総経理は、フィールドの土や人工芝、ホームベース後方や内野席前のフェンスのクッションや防球ネットの高さなど、米メジャーリーグベースボール（MLB）の専門家の意見を取り入れ、国際試合の規格に合わせて既に調整したと説明した。

　台北市政府体育局は、営業開始後3カ月間は、スポーツ以外のイベントは行わないと説明した。申請した使用許可の用途が体育館だったため、コンサートなどの大型イベントを開催する場合、台北市大型群聚活動安全管理自治条例などに基づき、申請する必要がある。

32年の念願かなう

　台北ドームは2012年4月に着工した。ドームの建設費は161億台湾元（約740億円）、商業施設などを含めた台北文化体育園区の総費用は413億元だ。

台北ドームは、忠孝東路を挟んで向かい側にある国父紀念館と地下通路でつながっている（27日＝中央社）

　1991年、台北市立棒球場（台北市松山区、現在の台北小巨蛋＝台北アリーナがある場所）で行われたプロ野球の1位決定戦は大雨で中断され、観客から雨を遮るドームが必要との声が相次いだ。蒋・台北市長は、32年前に大雨の中、野球ファン1万人が声を上げてから、歴代の市長や建設を許可した郝柏村・元行政院らの努力で、ついに台北ドームを完成することができたと語った。

　台北ドームは、2003年の公開入札以降も争議が絶えなかった。台湾民衆党の柯文哲・主席が台北市長（14年12月～22年12月）に就任後の15年、遠雄集団の工事内容と認可された工事図面が一致していないなどの安全上の理由などで、工事中止を命じ、建設工事は5年余り中断された。20年に工事再開が認められたものの、21年3月に施工現場の鉄パイプが車道に落下する事故が発生するなどし工事が滞り、柯氏の台北市長任期内に完成は間に合わなかった。

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