2024年1月13日投開票の総統・副総統選挙、立法委員選挙に向け、中央選挙委員会（中選会）はきょう20日、立候補の届け出受け付けを開始した。与党民進党の公認候補、頼清徳・副総統（64歳）は20日午後3時、蕭美琴・駐米代表（52歳）を副総統候補に指名すると発表した。最大野党の国民党と野党第2党の台湾民衆党は18日、統一候補の発表を見送った。国民党の朱立倫・主席は19日、22日に最終確認したいと説明したが、台湾民衆党の主席で公認候補の柯文哲・前台北市長（64歳）は同日、「台湾民衆党の総統候補として最後まで戦い抜く」と発言しており、野党連合は破談になる可能性がある。20日付中国時報などが報じた。

頼氏（右）は20日午前、米国で3年前に撮影したツーショット写真をフェイスブック（FB）に投稿し、その数カ月後に駐米代表に就任した蕭氏（左）の外交の成果を高く評価した（頼氏FBより）

　中選会は16日、総統・副総統の立候補の届け出期間や必要書類などを発表した。届け出は24日午後5時半まで。供託金は1500万台湾元（約7100万円）。

　蕭氏は20日午前9時、呉釗燮・外交部長に辞任を申し出て、認められた。

　蕭氏は、米国で15～17日に開催されたアジア太平洋経済協力会議（APEC）終了後、台湾に向かう飛行機に搭乗したようだ。26日には、花蓮県で総統選挙と立法委員選挙の連合本部の発足式に出席する。

　消息筋によると、蕭氏は知名度が高く、女性票や中間層、若年層の得票につながりそうだ。外交に強く、都市部でプラスに、花蓮県の立法委員経験があり、民進党が弱い東部でプラスに働くとみられる。

世論調査で見解相違

　野党連合の候補の一本化に向け、国民党と台湾民衆党は15日、世論調査9件を専門家3人が確認し、国民党公認候補の侯友宜・新北市長（66歳）と台湾民衆党の公認候補の柯氏のいずれを総統候補、副総統候補にするかを決定することで合意していた。

侯氏（左）は20日、野党連合の決着がどうであれ、柯氏の決定を尊重し、侯氏自身が最後に勝つと語った（20日＝中央社）

　馬英九・前総統が董事長を務める馬英九基金会は18日、専門家3人の意見がまとまらず、結論を延期し、後日協議すると発表した。

　世論調査9件のうち、台湾民衆党が推薦した専門家は3件に問題があると指摘し、合意に至らなかった。残りの世論調査6件についても、国民党と馬英九基金会が推薦した専門家は、誤差の範囲を考慮すると、「総統候補・侯氏、副総統候補・柯氏」が5件、「総統候補・柯氏、副総統候補・侯氏」が1件と判定したが、台湾民衆党が推薦した専門家は、柯氏が主張している誤差の範囲は6％（3％＋3％）ではなく3％で、3件と3件で引き分けだと主張した。

　侯氏は、誤差の範囲は柯氏の提案で、あくまでプラスマイナス3％だと指摘した。

郭氏自宅を訪問

　柯氏は19日夜、総統選挙に無所属で立候補する条件を満たした鴻海精密工業創業者、郭台銘（テリー・ゴウ）氏（73歳）の自宅マンションを訪れた姿が目撃された。その1時半後にその場を離れた。

柯氏が19日、「台湾民衆党の総統候補として最後まで戦い抜く」と語ると、会場にいた6000人の支持者から歓声が上がった（19日＝中央社）

　柯氏が国民党と野党連合を組まない場合、副総統候補として、郭氏や、元ヤフー!奇摩総経理の鄒開蓮氏（58歳）の名が取り沙汰されている。

　郭氏の選挙事務所の陳家頤・報道官は、24日の届け出終了まで、いかなる可能性もあると語った。

郭氏は14日、無所属で立候補する条件を満たした。副総統候補は、俳優の頼佩霞氏（60歳）だ（14日＝中央社）

【セミナー情報です】
組織を活用し、業績を上げる事を深く考え実践できる。そんな日本人管理者の育成に最適です。幹部としての自覚を持ち、組織力発揮の立役者に！在台日系企業の日本人向け管理者研修。12月21日開講。
検索は「管理者研修、12月21日」。
【セミナー情報の詳細はこちら】
https://www.ys-consulting.com.tw/seminar/103872.html