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23年12月輸出受注16%減、上半期は回復見込めず【図表】(トップニュース)/台湾


ニュース その他分野 作成日:2024年1月23日_記事番号:T00113406

23年12月輸出受注16%減、上半期は回復見込めず【図表】(トップニュース)/台湾

 経済部統計処が22日発表した2023年12月の輸出受注総額は438億1000万米ドルで、前月比13.5%減少、前年同月比16.0%減少した。わずか1カ月で前年割れに逆戻りした。24年1月の輸出受注は前年同月比15〜20%減少し、400億米ドルを割り込むと予測した。黄于玲・処長は、第1四半期(1〜3月)は電子製品の非需要期の上、米中対立や紅海危機など地政学的リスクで、企業は発注に慎重になっており、見通しは楽観できないと語った。末端需要が回復するのは下半期(7〜12月)になると予想した。23日付経済日報などが報じた。

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 黄・処長は、1月の大幅減少予測について、末端需要が低迷しており、サプライチェーン(供給網)の在庫調整が続くためと分析した。また比較対象の23年1月は、中国が新型コロナウイルスのロックダウン(都市封鎖)を終了して受注がずれ込んだため、輸出受注総額が比較的高かったと説明した。

 中東の紅海でイスラム組織、ハマスを支持するイエメンの親イラン武装組織フーシ派による商船への攻撃が続く中、黄・処長は、コンテナ船の運賃の上昇や運航スケジュールの遅れで、自動車のサプライチェーンに既に影響が出ていると語った。

/date/2024/01/23/00container_2.jpg高雄港に停泊するコンテナ船。黄・処長は、紅海危機が長期化しなければ、インフレやサプライチェーンへの影響は限定的と予想した(22日=中央社)

全7項目、前年割れ

 23年12月輸出受注は、主要製品7項目全てが前年割れだった。半導体など電子製品は149億2000万米ドルで、前年同月比12.9%減少した。情報通信技術(ICT)製品は122億7000万米ドルで、25.3%減少した。

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 液晶パネルなど光学器材は16億1000万米ドルで、前年同月比0.3%減少した。

中国向け石化製品が減少

 主要国・地域別では、中国・香港は100億7000万米ドルで、前年同月比3.5%減少した。うちプラスチック・ゴム製品は前年同月比26.5%減少、化学品は12.4%減少した。政府関係者は、中国が24年1月から石油化学製品12品目のゼロ関税を取りやめると発表したため、受注が減少したと分析した。これまで両岸(中台)間の海峡両岸経済協力枠組み協定(ECFA)のアーリーハーベスト(特定品目の早期関税引き下げ措置、EH)で、ゼロ関税が適用されていた。

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 このほか、▽米国、139億6000万米ドル(前年同月比38.4%減少)、▽欧州、67億4000万米ドル(39.4%減少)、▽日本、21億2000万米ドル(30.5%減少)──だった。

 東南アジア諸国連合(ASEAN)は66億米ドルで、前年同月比32.4%増加した。

AIサーバー、台湾生産増加

 23年12月輸出受注の海外生産比率は48.6%で、前月比4.1ポイント低下、前年同月比4.4ポイント低下した。うちICT製品は84%で、前年同月比4.0ポイント低下した。人工知能(AI)サーバーやネットワーク製品の台湾生産化が理由と説明した。

 23年通年の輸出受注の海外生産比率は50.9%で、前年比0.3ポイント低下した。

23年、過去3番目の高水準

 23年通年の輸出受注総額は前年比15.9%減の5610億4000万米ドルで、21年、22年に続く過去3番目の高水準だった。

 主要国・地域別では、中国・香港向けは1203億4000万米ドルで前年比17.2%減少、米国向けは1782億8000万米ドルで前年比14.8%減少し、いずれも過去最大の減少幅だった。

 

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