ニュース 公益 作成日:2024年2月6日_記事番号:T00113658
経済部の王美花・部長は5日、春節(旧正月、2024年は2月10日)前の最後の記者会見を開き、民意と立法院(国会)新会期に向け、原子力発電所(原発)の運転期間延長の可能性に関する準備を進めると初めて表明した。最大野党・国民党の複数の立法委員は、原発の運転期間を延長できるようにする法改正案を提出すると表明している。6日付経済日報が報じた。
韓国瑜・立法院長(国民党)は2月20日に立法院を招集する。2月1日に就任した立法委員(定数113)は、▽国民党、52議席、▽民進党、51議席、▽台湾民衆党、8議席、▽無所属、2議席──で、民進党は少数与党だ。民進党は25年の脱原発目標を掲げていたが、国民党と台湾民衆党は原発の運転期間延長を主張している。産業界は電力の安定供給のため原発稼働を求める声が根強い。
王・部長は、法改正のほか、原発の安全確保、使用済燃料の乾式貯蔵施設の建設が必要だと語った。安全確保は、台湾電力(台電、TPC)が準備するほか、原子力の担当省庁、核能安全委員会(核安会、旧・行政院原子能委員会)が審査基準を策定する必要があると説明した。
王・部長は、第2原発(新北市万里区)の運転を再開できたとしても、基隆市や新北市汐止区、台北市南港区などの地域に電力を安定供給するため、基隆市に第4液化天然ガス(LNG)受け入れ基地を設置する必要があると述べた。
政府関係者は、経済部や台湾電力(台電、TPC)は執行機関で、原発の運転機関の延長は立法院の承認が必要と説明した。これまで欧米が原発の運転期間を延長する際には、運転を止めて検査を行い、設備更新が必要か確認したり、運転期間の延長計画を審査したり、数年かかることも多いと指摘した。
26年に再生エネルギー20%へ
蔡英文政権(民進党)は25年の脱原発目標を掲げ、再生可能エネルギーの電源構成(エネルギーミックス)20%達成を目指していたが、昨年半ばの時点で26年に延期していた。
王・部長は、洋上(オフショア)風力の発電電力量は今年、113億キロワット時(kWh)増加する見通しで、約277万世帯の年間電力使用量に相当すると語った。太陽光発電所は25年までに残り7.58ギガワット(GW)を設置すると述べた。
王・部長は、洋上風力発電と太陽光発電のほか、水素エネルギーと地熱発電に力を入れると語った。
水素エネルギーは、台湾中油(CPC)が今年、水素ステーションを設置し、南部で水素燃料電池バスを試験走行するほか、液体水素の受け入れ基地の設置を検討する。TPCは興達火力発電所(高雄市)で、天然ガスに5%の水素を混ぜて燃焼させ発電する実証試験を計画している。
地熱発電は、25年までに設備容量20メガワット(MW)を目指している。現在稼働中の設備容量は7.29メガワットで、建設中の設備容量を合わせれば、合計23.29メガワットになる。
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