ニュース 電子 作成日:2024年2月21日_記事番号:T00113840
インド紙エコノミック・タイムズ(ET)が事情に詳しい官僚の話を伝えたところによると、インドのタタ・グループは台湾のファウンドリー大手、聯華電子(UMC)または力晶積成電子製造(パワーチップ・セミコンダクター・マニュファクチャリング、PSMC)の協力を得て、インド西部グジャラート州ドレラにファウンドリー工場を設置する計画のようだ。実現すれば、台湾のファウンドリーが初めてインドに進出することになる。地政学リスクが増大する中、インドは半導体の製造能力を確保するため、ファウンドリー大手を誘致したい考えとみられる。21日付経済日報が報じた。
タタとパワーチップはノーコメントだ。UMCは、市場のうわさ(臆測)にはコメントしないと回答した。
タタのファウンドリー工場は、当初は成熟プロセスの65ナノメートル製造プロセスで月産能力は2万5000枚の計画のようだ。後に48ナノ、28ナノへと移行し、数年後にはグラフィックスプロセッサー(GPU)、消費者向け電子製品、モノのインターネット(IoT)向け半導体を生産する目標とみられる。
タタは既に工場用地などの詳細を決定しており、間もなく建設を開始するようだ。
インドと接触
UMCとパワーチップは成熟プロセスが中心だ。
パワーチップの黄崇仁(フランク・ホアン)董事長は昨年初め、インドでのファウンドリー設置への協力を求められていると明かしていた。協力相手は明らかにしていない。
パワーチップは現在、日本の金融大手、SBIホールディングスと宮城県に12インチウエハー工場を建設する計画を進めている。当初は月産能力1万枚、最終的に4万枚を目標に、車載用半導体を生産する計画だ。
UMCは、ここ数年インドを視察に訪れていることが現地メディアに報じられている。これまでインド投資は行っていない。
UMCは2022年に建設を開始したシンガポール工場が今年第2四半期(4〜6月)終わりにも完成し、25年に量産を開始するとみられている。当初の月産能力は2万〜3万枚。
電力供給が課題か
業界関係者によると、インドでのファウンドリー設置は難易度が高いようだ。インドでは停電が頻繁にあり、半導体業にとって最大のネックだ。加えてサプライチェーン(供給網)の構築が不十分で製造コストが高くなることや、インフラ不足や政府の官僚などの課題がある。
インド政府は、インド半導体ミッション(ISM)計画で補助金を支給しており、総投資額の50%を州政府が、15〜25%を地方自治体が負担するとみられる。一般的にファウンドリー建設には50億〜100億米ドルの巨額投資が必要とされる。
鴻海はインドで封止工場
電子機器受託製造サービス(EMS)最大手、鴻海精密工業(ホンハイ・プレシジョン・インダストリー)は今年1月、インドの情報技術(IT)大手、HCLグループと合弁で、インドに半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)受託(OSAT)工場を建設すると発表した。劉揚偉・董事長は20日、現在インド当局と協議を進めていると説明した。
一方で劉・董事長は、半導体の供給不足を受けて各国が製造拠点設置に躍起になっており、供給過多に陥る可能性も含め、観察が必要と考えているようだ。
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