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TSMCが嘉義にCoWoS工場2基、5月着工へ【図表】(トップニュース)/台湾


ニュース 電子 作成日:2024年3月18日_記事番号:T00114276

TSMCが嘉義にCoWoS工場2基、5月着工へ【図表】(トップニュース)/台湾

 行政院の鄭文燦・副院長はきょう18日、嘉義県政府で、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が5月初旬、南部科学園区(南科)嘉義園区(嘉義県太保市)で先進封止(パッケージング)技術、チップ・オン・ウエハー・オン・サブストレート(CoWoS、コワース)工場2基を着工し、2028年に量産すると発表した。嘉義県政府は18日、AI(人工知能)需要が急増しており、26年末に完成予定と説明した。消息筋によると、行政院はTSMCと、南科嘉義園区で工場6基分の用地を提供することで合意している。従来の4基の計画より2基多く、投資額は計5000億台湾元(約2兆3600億円)以上とみられる。中央社電などが18日伝えた。

/date/2024/03/18/00cheng_2.jpg鄭・副院長は、TSMCのCoWoS工場は、建設許可が最終審査段階で、嘉義園区で最初の建設許可となると説明した(嘉義県政府リリースより)

 嘉義県政府は18日、敷地面積は計20ヘクタール、うち第1期工場は12ヘクタールで、26年の完成後、就業機会3000件を創出すると説明した。

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 TSMCはエヌビディアの画像処理半導体(GPU)「H100」をはじめ、AIサーバーなどのAI半導体をほぼ独占生産しており、CoWoS生産能力が足りず、増産を急いでいるようだ。

 エヌビディアのH100はCoWoSを採用しており、ウエハー1枚当たりわずか28個しか生産できず、次世代の「B100」は16個しか生産できない。

 一方、AIサーバーの需要は急増しており、証券会社の予測によると、24年のH100搭載サーバー販売台数は40万台、B100搭載サーバー販売台数は50万~60万台に上る。

 TSMCは1月、24年にCoWoS生産能力を前年の2倍に拡大する計画で、25年以降も増強すると表明していた。

KYECに検査委託か

 TSMCは、半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)の京元電子(KYEC)に最終検査(FT)を委託するようだ。

 KYECは、特定の顧客や受注についてはコメントしない。ただ張高薫・総経理は3月初旬に受けたインタビューで、CoWoSは生産能力不足で、外部への生産委託も多いと語っていた。

 KYECは、AI半導体の顧客の需要を受け、苗栗県銅鑼郷の第4工場を年末から来年初めにかけて着工する予定と説明した。

 業界では、TSMCはCoWoSのチップ・オン・ウエハー(CoW)工程を自社で行い、ウエハー・オン・サブストレート(WoS)工程を半導体パッケージング・テスティング最大手、日月光投資控股(ASEテクノロジー・ホールディング、ASEH)やKYECに委託する計画とみられている。

日本でもCoWoS検討か

 消息筋の情報をロイターが報じたところによると、TSMCは日本での先進パッケージング工場建設を検討しており、CoWoSも選択肢の一つだ。投資規模やスケジュールは未定だ。

 TSMCのCoWoS工場は現在、全て台湾にある。

 TSMCは22年に、茨城県つくば市に先進パッケージングの研究開発(R&D)拠点を設置している。

 

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