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馬前総統と習国家主席が会談、「一つの中国」確認【図表】(トップニュース)/台湾


ニュース 政治 作成日:2024年4月11日_記事番号:T00114703

馬前総統と習国家主席が会談、「一つの中国」確認【図表】(トップニュース)/台湾

 馬英九・前総統(国民党)は10日午後4時から、中国の習近平・国家主席と、北京市の人民大会堂で会談した。馬氏が現職の総統だった2015年11月にシンガポールで会談して以来、9年ぶり。馬・前総統は会談で、「1992年の共通認識(92共識、92コンセンサス)」を堅持し、台湾独立(台独)に反対する立場を改めて示した。習・国家主席は、馬先生(馬さん)は92コンセンサスの堅持や台湾独立(台独)の反対、両岸(中台)の平和的発展や両岸の青少年の交流促進など、中華の振興に尽力しており、高く評価していると語った。民進党は92コンセンサスの存在自体を認めていない。会談後、対中政策を担う台湾の大陸委員会(陸委会)は、習氏はこれまでに「92コンセンサスは一つの中国原則を体現する」と定義付けており、一方的な政治的枠組みの変更で、中華民国の生存空間を抹消しようとしていると批判した。11日付自由時報などが報じた。

/date/2024/04/11/00ma_flight_2.jpg馬・前総統(左2)はきょう11日午前の便で帰台し、11日間の中国訪問を終えた(11日=中央社)

 馬・前総統は会談で92コンセンサスについて、それぞれが口頭で「一つの中国」原則を堅持することを確認したものと説明した。両岸は人々の福祉を最大の目標とし、92コンセンサスを堅持し、台独に反対し、平和的発展と中華の振興を追い求めると語った。

 また馬・前総統は、仮に両岸で戦火が起これば、中華民族にとって受け入れ難い結果をもたらすと述べた。両岸の中国人は智恵を使い、平和的に対応し、戦争を回避できると語った。

 習・国家主席は、両岸の同胞は皆、中華民族に属しており、両岸は不可分で、いかなる勢力もわれわれを引き離すことはできず、話し合えない問題や解けないわだかまりなどないと述べた。両岸の同胞は、「台独」の分裂活動と外部勢力の干渉に反対し、中華民族の共通の故郷を守り、平和的統一による輝かしい未来をともに追い求めようと呼び掛けた。

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 会談を受け、国民党の朱立倫・主席は、国民党は馬・前総統の訪中を祝福しており、国民党の対中路線は米国と親密に、日本と友好的に、中国と平和的にというものと語った。5月20日に総統に就任する民進党の頼清徳・現副総統に対し、果たして対立と対話のどちらを選ぶのかと問い掛けた。

民意尊重、対話呼び掛け

 大陸委員会は、会談は92コンセンサスや統一促進を大々的にアピールし、一方的にわれわれの主権を抹消しようとしていると批判した。大陸委員会が4月に行った世論調査で、「一つの中国」原則を前提とした92コンセンサスのもとで中台の対話を再開することに78.8%が賛同していないとして、北京当局に対し、台湾の主流の民意を尊重するよう呼び掛けた。

 また大陸委員会は、台湾政府は両岸の平和と安定、現状を維持する立場で一貫しており、中国がさまざまな方法で一方的に「一つの中国」の枠組みを押し付けることが、台湾海峡の安定を揺るがしていると非難した。中華民国とは互いに隷属しない客観的事実を直視し、台湾への威嚇や圧力をやめ、理性的に尊重し合い、公式な対話で問題解決を図るよう呼び掛けた。

国民党なら緊張緩和のアピールか

 淡江大学国際事務戦略研究院の馬準威・助理教授は、会談は国際社会に対し、両岸の緊張を緩和する可能性を印象付ける狙いと分析した。一方で、台湾への圧力はなくならず、頼氏の総統就任後も、民進党は中国への強硬姿勢を崩さず、国民党との対立は深まると予想した。

 このほか、習・国家主席が会談で、両岸の同胞は一つの家族で、互いに行き来することで、関係が深まると語ったことから、中国人の台湾団体旅行解禁が近いとの見方が出ている。

 

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