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大気汚染改善、脳卒中の死亡率も低下【図表】(トップニュース)/台湾


ニュース 社会 作成日:2024年5月14日_記事番号:T00115286

大気汚染改善、脳卒中の死亡率も低下【図表】(トップニュース)/台湾

 国家衛生研究院(国衛院)が13日発表した大気汚染の調査によると、台湾のPM2.5(微小粒子状物質)の濃度は2007年の1立方メートル当たり31.7マイクログラムから、17年に21.47マイクログラムに改善した。同期間に、脳卒中や虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)、肺がん、別名「たばこ病」と言われる慢性閉塞性肺疾患(COPD)の死亡率がそれぞれ4.26~7.31ポイント低下した。国衛院は、肺疾患に限らず、大気汚染と関連性があると指摘した。14日付聯合報などが報じた。

/date/2024/05/14/00pollution_2.jpg国衛院と環境部は、大気汚染の調査結果を基に、大気汚染の基準値改定を提案した(13日=中央社)

 調査によると、PM2.5濃度が改善した10年間で、脳卒中の死亡率は31.81%と、07年に比べ7.31ポイント低下した。17年の虚血性心疾患の死亡率は19.97%で、6.56ポイント低下した。肺がんの死亡率は21.85%で、4.26ポイント低下し、肺の生活習慣病とも言われる肺気腫や慢性気管支炎などのCOPDの死亡率は19.75%で、6.91ポイント低下した。

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 地域別では、鉄鋼や石油化学産業、化石燃料を使用する火力発電所が集中する中南部は、脳卒中や虚血性心疾患、肺がん、COPDの死亡率が北部や東部より高かった。例えば、肺がんの17年死亡率は、中南部は26.4%、北部は22.8%、東部は19.2%だった。

 大気汚染は糖尿病や肝臓がんの悪化にも関係することが分かった。PM2.5濃度が高い環境にいる糖尿病患者は、腎臓のろ過機能が低下し、網膜症やタンパク尿のリスクが上昇した。肝臓がん患者は予後が悪化し、死亡率が上昇した。

 国衛院国家環境医学研究所の陳裕政・副研究員は、PM2.5などの大気汚染は、細胞の炎症反応を高めると指摘した。その結果、慢性疾患の悪化が早まり、死亡率が高まると説明した。

 このほか大気汚染で、高齢者の身体機能が低下した。PM2.5濃度が1立方メートル当たり32マイクログラムの環境で生活している高齢者は、濃度が25マイクログラムの環境と比べ、握力は1.7%低く、筋肉量は1.3%少なく、体脂肪は2.4%多かった。

環境基準を厳格化

 大気汚染の改善に向け、環境部は4月末に、大気汚染の基準値「空気品質標準」の改正草案を発表した。9月から実施する予定だ。

 PM2.5濃度の年平均値の環境基準は1立方メートル当たり15マイクログラムから、12マイクログラムに厳格化する。オゾンや二酸化窒素(NO2)などの基準も引き下げ、2030年の目標達成を目指す。

 

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