ニュース 商業・サービス 作成日:2024年5月30日_記事番号:T00115598
行政院主計総処が29日発表した屋台の経済状況調査によると、台湾の屋台は2023年6月末時点で23万3400店で、前回調査の18年8月と比べ23.95%減少し、1988年の統計開始以来、最低となった。主計総処の職員は、かつては夜市(ナイトマーケット)や道端で小吃(屋台料理)を食べていたものだが、コロナ禍で海外からの観光客が激減したほか、飲食店の宅配代行サービス(フードデリバリーサービス)の利用が増えたためと分析した。30日付中国時報などが報じた。
屋台の種類は、小吃など食品や飲料店が12万5100店で5割以上を占め、次いで果物店が2万3500店で2番目に多かった。このほか▽衣類・靴類、2万3300店、▽野菜、1万8600店、▽肉類・魚介類、1万4200店、▽ゲームや占い、修理などサービス、5500店──と続いた。
屋台の年間売上高は3953億9800万台湾元(約1兆9000億円)で、前回調査より26.71%減少した。屋台1店当たりの年間売上高は平均169万4000元で、3.64%減少した。平均利益は53万3000元で7.30%減少した。
屋台の種類別で、最も高かったのは肉類・魚介類店で、年間売上高は平均378万9000元で0.26%減少、利益は平均82万3000元で3.40%減少した。
小吃など食品や飲料店は、売上高は152万5000元で0.91%減少、利益は54万5000元で3.54%減少した。衣類・靴類の店は、売上高は135万9000元で21.22%減少、利益は44万3000元で24.92%減少し、特に減少幅が大きかった。
最も低かったのはゲームなどサービスの店で、売上高は74万4000元で2.49%減少、利益は27万8000元で14.98%減少した。
高雄市苓雅区の三多商圏に近い興中夜市(29日=中央社)
蔡英文・前政権(民進党)下で、コロナ前後から中国人観光客の訪台はストップしたままだ。
高雄市の有名夜市、六合夜市の管理委員会の詹金翰・総監事は、馬英九・元総統(国民党)時代、中国からの観光客は多い時で一晩で数千人が訪れ、パイナップルケーキや茶葉などの土産物がよく売れたと話した。
台中市にある台湾最大の観光夜市、逢甲夜市の管理委員会の王朝芸・主任委員は、中国人観光客が減少して売上高が半分になったと指摘した。政府は東南アジアからの観光客を誘致しているが、中国人観光客は購買意欲が高い上、言葉の壁がなく、食文化も台湾と似ており、中国人団体旅行の再開を待ち望んでいると語った。
高齢化で従事者減少
屋台の従事者は35万7340人と、過去5年で24.88%減少した。うち屋台の事業者は23万3386人で、専業屋台は21万3638人、兼業は1万994人だった。屋台1店を経営している人は19万451人で、2店以上は2万3187人だった。
屋台の事業者の平均年齢は53歳で、前回調査より0.8歳上昇した。年齢別では、60歳以上が36.23%を占めた。
求人求職情報サイト、yes123求職網の楊宗斌・広報担当は、高齢者が引退しても代わりが見つかりにくいほか、若者は路上で屋台を開業するより、SNS(交流サイト)や配信を好んで利用するので、次回の28年調査では、屋台の数も従事者数もさらに減少すると予測した。
主計総処は5年ごとに屋台の経済状況を調査している。屋台とは、営業場所が固定しておらず、住所がなく、住居の機能がない店舗を指す。
18年の調査で、屋台の数や売上高、従事者数が初めて前回調査を下回った。主計総処の職員は、近年は24時間営業のコンビニエンスストアやフードコートなど選択肢が増え、パンや弁当、飲料をいつでも買えるようになったほか、インターネットショッピングやアプリなど買い物の手段が増えたためと指摘した。
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