ニュース 電子 作成日:2024年6月4日_記事番号:T00115677
アジア最大級の情報技術(IT)見本市、台北国際電脳展(コンピューテックス台北)がきょう4日、「コネクティングAI」をテーマに、台北南港展覧館(TaiNEX)で開幕した。半導体大手、米アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)のリサ・スー最高経営責任者(CEO)は3日の事前講演で、今後10年続くAI(人工知能)の(需要が拡大し続ける)「スーパーサイクル」が始まったばかりだと語った。今後5年の年平均成長率(CAGR)は50%を軽く上回り、27年市場規模は4000億米ドルに達すると予測した。4日付経済日報が報じた。
スーCEOは、台湾は重要な半導体サプライチェーン(供給網)があり、AMDはエコシステム構築が今の目標だと語った(3日=中央社)
スーCEOは3日、「高性能計算(HPC)でAI時代へ」と題した講演を行った。2日に事前講演を行った米エヌビディアのジェンスン・フアン(黄仁勲)CEOとともに、台南市生まれの米国人だ。
ASUSの施・董事長(右)は、AMDやクアルコムのプロセッサー搭載のAI PC「Copilot+ PC」などを発表した(ASUSリリースより)
スーCEOは、AIノートパソコン向け中央処理装置(CPU)「Ryzen(ライゼン)AI 300」を7月にリリースすると発表した。華碩電脳(ASUS)の施崇棠(ジョニー・シー)・董事長がステージに登場し、7月にRyzen AI 300搭載ノートPC「Zenbook」を発売すると宣言した。
Ryzen AI 300は、マイクロソフト(MS)が5月に発表したAIのためのWindows(ウインドウズ)PC「Copilot+ PC(コパイロットプラスピーシー)」に対応する。「Zen5」アーキテクチャを採用し、NPU(ニューラルネットワーク・プロセッシング・ユニット)でAI処理性能は50TOPS(演算回数が1秒当たり50兆回)に引き上げる。競合アップルのAIプロセッサー「M4」を上回るとうたう。
スーCEOは、Zen5は3ナノメートルと4ナノメートル製造プロセス、チップレット(小さな半導体のダイ)を採用すると説明した。サムスン電子のゲート・オール・アラウンド(GAA)技術を採用した3ナノに切り替えるかとのメディアの質問に対しスーCEOは、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)との関係は緊密で、AMDは最先端の製造プロセスを採用すると説明した。
スーCEOの講演に訪れた台塑集団(台湾プラスチックグループ)の王文淵・総裁(左)は、AI時代に期待していると語った(3日=中央社)
エヌビディア、台湾に新拠点
AMDが台湾に研究開発(R&D)センターを設立するとの見方に対しスーCEOは、台湾はAMDの研究開発の重要な拠点で、あらゆる選択肢を検討すると説明した。
一方、エヌビディアのフアンCEOは3日、今後5年以内に、台湾に設計センターを設立する計画で、エンジニアを1000人以上を雇用すると語った。設立先は未定だが、台北市、台南市、高雄市が候補だ。
エヌビディアのフアンCEOは2日、エヌビディアのグラフィックスプロセッサー(GPU)「GeForce RTX」を搭載したAI PCをASUSなどが手掛けており、200機種以上発売される見込みだと明かしていた。
5万人来場へ
コンピューテックス台北は4~7日、南港展覧館で開催される。1500社がブース4500小間を出展し、5万人が来場する見通しだ。主催の中華民国対外貿易発展協会(外貿協会、TAITRA)の黄志芳・董事長は、海外から来場する事前登録は1万3000人、台湾は3万6000人で、これまでになく盛況で、空前のAI商機を生み出すと語った。
昨年は、1000社がブース計3000小間を出展し、バイヤーの来場者登録は126カ国・地域の3万人と、事前登録の2万人を上回った。
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