雲林県内の公共事業や病院建設をめぐり、廃棄物処理会社の美環保や長庚医院から総額2,100万台湾元(約6,200万円)のわいろを受け取っていたとして、雲林地検は14日、蘇治芬・雲林県長(民進党)を収賄罪で起訴し、懲役15年を求刑した。15日付蘋果日報が伝えた。
保釈を受けた蘇県長。今週、来年12月の県長選への民進党による候補指名が正式に決まる見通しで、「政治的迫害」によって同情票を集める可能性もある(14日=中央社)
11日間のハンストを行い、いったん栄養補給のため強制入院させられた蘇県長は同日夕方、雲林地裁で審理を受け、住居限定と出境禁止を条件に身柄が保釈された。
一連の事件では蘇被告を含め24人が起訴されている。検察によると、美環保は廃棄物処理場の許可をめぐり、蘇被告側に300万元のわいろを送っていた。資金は民進党議員の選挙資金に流用されたという。
また、2006年末には長庚医院雲林分院の建設にからみ、蘇被告は雲林県議会の沈宗隆副議長(国民党)らと共謀し、議会対策費用として総額1,800万元のわいろを受け取っていた。
雲林地検の捜査担当者は、蘇被告が受け取った資金を自分では受け取っていないと主張していることについて、「わいろとして受け取った資金を国民党籍の議員の買収に使っており、代議員政治を著しく破壊するものだ。懲役15年の求刑は重くない」と求刑理由を説明した。