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地獄図DVDで道徳教育、小学生ショックで転校


ニュース 社会 作成日:2008年11月18日_記事番号:T00011645

地獄図DVDで道徳教育、小学生ショックで転校

 
 人間は悪いことをすると地獄で恐ろしい刑罰を受けると説く「十八層地獄」は、仏教の因果応報の思想と道教の地獄の考え方が結び付いたもの。舌抜き地獄や血の池地獄、火の山地獄など恐ろしい18種類の刑罰がある。

 今年4月、台北市士林区の天母国民小学(小学校)1年生の担任、蕭仿玲教諭は、朝の自習時間に十八層地獄のDVDを放映した。舌を抜かれる様子などの恐ろしい画面を見て、同クラスの児童、張君は恐怖のあまり泣き出してしまった。ところが、蕭教諭はこれを無視し、音量のボリュームを上げて張君の泣き声をかき消したという。

 実はこの張君、これまでも蕭教諭の指導方法に適応できず、十二指腸潰瘍(かいよう)を患って入院し、児童精神科にかかったこともあった。このDVDを見た晩から「僕の舌を抜かないで!」と一晩に何度も悪夢にうなされるようになり、暗闇が怖くて一人では眠れず、一人で通学することもできなくなってしまった。

 6月に張君の母親が学校に陳情すると、張輝雄校長から「一度見せただけ。児童への影響は小さい」と簡単にあしらわれたという。「あの怖い絵が頭の中から離れない」と、精神的なショックを受けている児童はほかにもおり、結局、張君とクラスメート1人が他校へ転校した。

 蕭教諭はこれに対し、怖がらせるつもりはなく、誤解を招いてしまい申し訳ないと謝罪。同DVDは生徒が見たいと言うので道徳教育のため放映したという。

 台北市政府教育局や宗教学者は、十八層地獄を倫理道徳の教材として使うのは不適切との見解で、学校側は蕭教諭のクラス運営を調査し、評価結果によっては停職や解雇処分にする方針だという。