4日に行われたパリ五輪のバドミントン男子ダブルス決勝戦で、チャイニーズ台北（台湾チーム）の李洋（28歳）・王齊麟（29歳）ペアが中国ペアを2対1で下し、今大会で台湾勢初の金メダルを獲得した。李・王ペアは東京五輪（2021年）に続く2連覇で、男子バド史上初。台湾選手が五輪2連覇を果たしたのは史上2回目だ。3日は射撃の男子スキート個人ファイナルで李孟遠・選手（29歳）が銅メダル、ボクシング女子60キロ級で呉詩儀・選手（26歳）が銅メダルを獲得し、台湾チームのメダルは計3つとなった。5日付聯合報などが報じた。

五輪初の連覇を達成した李（左）・王（右）ペア。李・選手は9月の引退を表明しており、最後の五輪となった（5日＝中央社）

　李・王ペアの対戦相手は、世界バドミントン連盟（BWF）世界ランク1位になったこともある中国の梁偉鏗・王昶ペア。第1ゲームは21対17で先取したものの第2ゲームは18対21で奪い返されフルゲームに持ち込まれた。第3ゲームは一進一退の攻防で、12対12に並んだところから李・王ペアが3ポイントを連取。粘られるも21対19でゲームを制した。

バドミントン男子ダブルスの李・選手は、日本や中国、デンマークなど世界ランク上位のペアとの対戦のため「自分達がメダルを獲得できるとは誰も思っていなかっただろう」と語った（5日＝中央社）

　男子ダブルス決勝が行われたラ・シャペル・アリーナは、満席となり、「麟洋加油（麟・洋頑張れ）」「台湾加油（台湾頑張れ）」などの声援に包まれた。

　試合後、王・選手は、第3ゲーム前に李・選手に疲れたのかと叱咤（しった）されたと明かした。会場の声援に影響されないようにと考えていたが、声援こそが踏ん張れる原動力になったと語った。

　李・選手は、会場でこんなに多くの人の応援を受けられるとは思ってもみなかったと語った。

　表彰式後は、前回の東京五輪は無観客で、自分達2人だけが「国旗歌（中華民国の国旗を掲揚・降納する際に歌われる歌）」を歌ったが、今回は会場全体と一緒に歌うことができ、言葉にできない感覚だったと語った。

　会場では喜びの涙を見せるファンの姿も多く見られた。

バドミントン男子ダブルス決勝戦は、台北駅で中継が放送され、多くのファンがチャイニーズ台北の旗などを手に応援した（4日＝中央社）

　台湾人選手の五輪金メダルは史上8個目だ。金メダル獲得は04年のアテネ五輪以来、6大会連続。五輪連覇は、重量挙げ女子53キロ級の許淑淨・選手が12年のロンドン、16年のリオで達成して以来、2回目。

　李・王ペアは今回の五輪で連勝記録を12に伸ばした。

　2人は中学校の同級生だったが、ペアを結成したのは卒業後の18年。初出場した19年のスペイン・マスターズで1位となり、21年にはタイの3大会を制覇。東京五輪では台湾バドミントン史上初のメダルを獲得した。

射撃とボクシングは銅

　3日に行われた射撃の男子スキート個人ファイナルでは、李孟遠・選手が45点で3位となり銅メダルを獲得した。射撃でのメダル獲得は台湾初。

射撃の李孟遠・選手（右）は台湾にとって今大会で最初のメダルを獲得した（4日＝中央社）

　ボクシング女子60キロ級の呉・選手は3日の準決勝で中国の楊文璐・選手と対戦し、1対4で敗北し銅メダルが確定した。ボクシング競技は3位決定戦を行わないため、準決勝進出で銅メダル以上が決まる。

ボクシングの呉・選手（左、青色のユニフォーム）は、辛くもベスト4の銅メダルとなった（4日＝中央社）

　このほかボクシング女子66キロ級の陳念琴・選手（27歳）と57キロ級の林郁婷・選手（28歳）は銅メダル以上が確定している。

　66キロ級の陳・選手は7日の午前4時50分（台湾時間）からの準決勝で中国の楊柳・選手と対戦する。57キロ級の林・選手は8日午前3時半からの準決勝でトルコのエスラ・ユルドゥズ選手と対戦する。勝てば決勝進出で銀メダル以上が確定する。

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