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ペットにも及ぶ不景気の波、陽明山が捨て犬スポットに


ニュース 社会 作成日:2008年11月24日_記事番号:T00011770

ペットにも及ぶ不景気の波、陽明山が捨て犬スポットに

 
 盲導犬の一生を描いた映画「クイール」が台湾でヒットしたのは2年前。映画によってラブラドール・レトリバーの人気が爆発し、ペットブームが起こった。会社員の小芬さんもこのブームに乗ってラブラドールを飼い始めたが、不景気で2カ月前に失業。愛犬の飼育費が大きな負担となり、飼い続けることが不可能になった。

 このところ、台北近郊の陽明山に捨て犬が激増しているのは、小芬さんのような飼い主が犯人のようだ。飼い主はペットが生きていけるようにと、豊かな自然に恵まれ山の洞穴をすみかにできる陽明山を捨て場所に選ぶらしい。

 陽明山国家公園管理処の統計によると、これまで同山の野良犬は普通の雑種犬がほとんどだったが、最近ではラブラドールやゴールデン・レトリバー、ダルメシアンなど高価な大型犬が多い。えさ代などに毎月6,000台湾元(約1万7,200円)近くかかる大型犬は、飼育費がその半分で済む小型犬よりも捨てられやすいという。野良犬の数は目下300匹を超え、陽明山の生態が破壊されているだけでなく、観光客の安全にも影響が出ている。

 捕獲された野良犬は、台北市動物衛生検査所に収容される。悪意による遺棄の場合、飼い主には最高7万5,000元の罰金が課されるが、法律で義務付けられている個体識別番号を記録したマイクロチップが装着されていない犬が多く、引き取り手が見つからない犬には死が待っている。

 そこで動物保護協会が打ち出したのが、長期にわたって犬を飼育する手間と負担を軽減できる里親制度。1カ月600元を寄付すれば犬の里親になれ、里子にした犬を一定期間自宅に連れ帰って飼うことができるという。これが捨て犬ブームの抑制になればよいのだが。