中度（台湾基準。日本では強い～非常に強い勢力に相当）に勢力を弱めた台風18号（アジア名・クラトーン）は2日午後2時現在、台湾本島の南西部に向かって進んでおり、3日午前に上陸し、勢力を弱めつつ北上し、5日にも台湾北部を抜ける予測だ。台湾の全22県市は2日、公共機関と学校を休みにする「停班停課」措置を取った。交通部中央気象署（CWA）は2日、屏東県や台東県に超大豪雨（24時間当たりの降水量500ミリメートル以上）警報を発令し、強風で倒木などの被害をもたらす恐れがある「致災性強風」にも警戒を呼び掛けている。2日付聯合報などが報じた。

台風18号の2日午前8時時点の台風進路予想図（中央気象署より）

　台風18号は2日午後2時現在、高雄市の南西120キロメートルの海上を、北東の方向に時速9キロメートルで進んでいる。中心気圧は940ヘクトパスカル（hPa）、中心付近の最大風速は秒速45メートル（時速162キロ、風速14級に相当）、最大瞬間風速は秒速55メートル（時速198キロ、風速16級に相当）。

　中央気象署は2日午後2時時点で、屏東県や台東県に超大豪雨（24時間当たりの降水量500ミリメートル以上）、花蓮県に大豪雨（24時間当たりの降水量350ミリメートル以上、または3時間当たり200ミリ以上）、台北市、台南市、高雄市、嘉義県市、宜蘭県、澎湖県に豪雨（24時間当たりの降水量200ミリメートル以上、または3時間当たり100ミリ以上）警報を発令している。

　中央気象署は1日夜時点で、台東県の山間部の累計降水量（29日～10月3日）は最大1300ミリ、花蓮県の山間部は最大1000ミリ、屏東県の恒春半島は最大900ミリと予測した。恒春半島の最大瞬間風速は13級（台湾基準。秒速37.0～41.4メートル）、高雄市や屏東県は12級（秒速32.7〜36.9メートル）、台南市は11級（秒速28.5〜32.6メートル）など、災害をもたらす恐れがある10級（秒速24.5〜28.4メートル）以上の強風予測だとして、警戒を呼び掛けた。

台風18号は、強風で倒木などの被害をもたらす恐れがある「致災性強風」といわれ、新北市新店区でも1日、店舗の窓ガラスにテープを貼る強風対策がみられた（1日＝中央社）

　鄭明典・元中央気象局長は1日、台風18号は予想進路が難しく、各国・地域で一致していない、珍しいケースだと説明した。

　災害対策本部、中央災害応変中心の1日午後8時時点の統計によると、被害報告は216件で、35人がけがをした。1日午後2時時点で7817人が避難している。

交通機関、一部運休

　台風18号の接近を受け、台湾高速鉄路（高鉄、THSR）は、2日は毎時2便、各駅停車の自由席のみ運行する。

　国営台湾鉄路（台鉄）は、2日は東部幹線と西部幹線の指定席列車（自強号など）を運休し、普通列車の区間車、区間快車は状況により調整する。南迴線は全線運休する。

　台北都市交通システム（MRT）は6～12分間隔で運行する。桃園国際空港を経由する桃園MRTは、各駅停車の普通車のみ15分間隔で運行する。新北MRTや台中MRTは15分間隔で運行する。高雄MRTは、20分間隔の運行、高雄軽軌（ライトレール、LRT）は全日運休する。

　空の便は、域内線の全234便が運休する。国際線は、長栄航空（エバー航空）や中華航空（チャイナエアライン）、中華航空傘下の格安航空会社（LCC）の台湾虎航（タイガーエア台湾）が高雄～東京（成田）、大阪（関西）など一部運航を取り消した。

百貨店、ほぼ通常通り営業

　百貨店最大手の新光三越百貨や遠東百貨（ファーイースタン・デパートメント・ストアズ）、遠東そごう百貨、ショッピングセンター（SC）大手の微風広場（ブリーズセンター）、環球購物中心（グローバルモール）は2日、全店を通常通り営業すると発表した。

　台北101は、ショッピングセンターの台北101購物中心（台北101モール）や展望台、レストランを2日休業すると発表した。

●お知らせ
　主要県市が公共機関・学校を休みとする「停班停課」を発表した場合、会員向け緊急速報メール・チャットワーク、ホームページでお知らせします。

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