DRAM大手エルピーダメモリの坂本幸雄社長は21日、提携交渉が昨年不調に終わった台湾の茂徳科技(プロモス・テクノロジーズ)について、同社を吸収合併する可能性もあり得るとの立場を明らかにした。22日付経済日報が伝えた。
坂本社長は台北で行った記者会見で、「もし茂徳が負債と技術導入の問題解決を望むならば、合併や協力にはオープンな姿勢だ」と語った。
これについて、茂徳の陳民良董事長は同日、「コメントできない」と言及を避けた。
茂徳科技は昨年、エルピーダとの提携交渉が最終局面で破談となり、韓国のハイニックス半導体との提携を維持する道を選んだ。
茂徳は来年1~3月期に3億3,000万米ドルの社債が満期を迎えるため、資金調達が当面の課題となっている。業界関係者は、エルピーダが茂徳の2位株主の聯華電子(UMC)とも技術交流関係にあることなどから、エルピーダがUMCと共同で茂徳への支援に乗り出すのではないかとみている。
一方、エルピーダと力晶は双方の関係について、「合併や持ち株会社設立を含め、あらゆる可能性がある」としており、力晶と茂徳の台湾DRAMメーカー2社を巻き込んだ業界再編に発展する可能性も出てきた。
坂本社長は「22億米ドルの手持ち現金があり、力晶とは突っ込んだ話し合いをしている」と述べた上で、「エルピーダと力晶の協力関係は既に世界で最も競争力があるDRAM企業提携だ」と強調した。また、力晶の黄崇仁董事長も、エルピーダとの協力拡大に意欲を示した。
エルピーダが台湾メーカーとの提携強化に動いている背景について、経済日報は「台湾メーカーと共同で韓国メーカーに対抗する狙いがあるのではないか」と分析した。