強烈（台湾基準。日本では非常に強い～猛烈な強さに相当）な台風21号（アジア名・コンレイ）はきょう31日午後1時40分ごろ、台東県成功鎮から上陸した。風速7級（毎秒13.9～17.1メートル）の強風域は半径320キロメートルと、過去2番目に大きく、午前11時時点で、台湾全土をすっぽり覆った。風速10級（毎秒24.5～28.4メートル）の暴風域は半径150キロメートル。強風や豪雨を警戒し、全22県市の政府が31日、公共機関と学校を休みにする「停班停課」措置を取った。交通部中央気象署（CWA）は、午後5時以降に中度（台湾基準。日本では強い～非常に強い勢力に相当）に勢力を弱め、午後8時以降にも台湾海峡に抜け、あす1日正午ごろに台湾本島の陸上警戒を解除すると予測した。31日付自由時報などが報じた。

台風21号の接近を受け、台東県の離島、蘭嶼では10メートル以上の高波が観測された（31日＝中央社）

　台風21号は31日午後2時現在、台東県の北北東40キロメートル地点を時速17〜24キロで北〜北北東に向かって進んでいる。中心気圧は925ヘクトパスカル（hPa）、中心付近の最大風速は秒速51メートル、最大瞬間風速は秒速63メートル。風速7級（毎秒13.9～17.1メートル）の強風域は半径320キロメートル、風速10級（毎秒24.5～28.4メートル）の暴風域は半径150キロメートル。

台風21号の31日午後2時時点の進路予想図（中央気象署リリースより）

　中央気象署は31日午前、全県市に陸上強風特報を発令した。花蓮県や澎湖県は14級（毎秒41.5～46.1メートル）以上、新北市～高雄市、宜蘭県、屏東県の沿岸などは11級（毎秒28.5～32.6メートル）以上、台北市、基隆市、南投県、嘉義市などは8～10級（毎秒17.2～28.4メートル）の強風を予測している。

　台東県の離島、蘭嶼では31日午前、風速17級（毎秒56.1～61.2メートル）を超える、観測史上で最も強い暴風が観測された。

 　強雨特報は午後1時20分現在、▽超大豪雨（24時間当たり降水量500ミリメートル以上）、新竹県、台中市、宜蘭県、花蓮県、台東県──、▽大豪雨（24時間当たり降水量350ミリメートル以上、または3時間当たり200ミリ以上）、台北市、新北市、基隆市、南投県──、▽豪雨（24時間当たり降水量200ミリメートル以上、または3時間当たり100ミリ以上）、桃園市、苗栗県、高雄市、屏東県──に発令している。

台中市の海側では、信号機が強風で倒れた（31日＝中央社）

　29日～11月1日の累積雨量予測は、宜蘭県の山間部は1200～1500ミリメートル、花蓮県の山間部は800～1200ミリメートル、宜蘭県と花蓮県の平地は500～800ミリメートル。台北市や新北市の山間部は500～800ミリメートル、平地は300〜500ミリメートル。

花蓮県新城郷では、強風でトタン屋根が吹き飛ばされた（31日＝中央社）

　災害対策本部、中央災害応変中心の31日午前7時時点の統計によると、倒木など被害報告は118件、新竹県、高雄市などでけが人は27人、太魯閣（タロコ）国家公園（花蓮県秀林郷）でチェコ籍の旅行者2人と連絡が取れない状況だ。計8600人が避難した。

　報道によると、南投県で31日、小型トラックが倒木に突っ込み、助手席にいた外国籍の女性（56歳）が死亡した。運転手の男性（76歳）は軽傷だった。

　花蓮県卓渓郷などでは、豪雨で道路が冠水し、土砂崩れが発生した。

　台湾電力（台電、TPC）によると、午後3時時点で停電は27万5803戸。

■30年ぶり大型台風

　強烈な台風が10月下旬に上陸するのは、1958年以来。10月の台風接近や上陸は14個目だ。強風域は半径320キロメートルと大型で、96年7月に台湾に上陸した台風9号（国際名・ハーブ）の半径350キロメートルに続く大きさだ。96年の台風9号は、死者51人、行方不明22人の被害をもたらした。

【セミナー情報です】
組織を活用し、業績を上げる事を深く考え実践できる。そんな日本人管理者の育成に最適です。幹部としての自覚を持ち、組織力発揮の立役者に！在台日系企業の日本人向け管理者研修。11月21日開講。
検索は「管理者研修、11月21日」。
【セミナー情報の詳細はこちら】
https://www.ys-consulting.com.tw/seminar/111186.html