ニュース 電子 作成日:2024年12月4日_記事番号:T00118960
半導体製造装置大手、東京エレクトロン(TEL)の台湾子会社、東京威力科創(東京エレクトロン台湾、TEL台湾)は3日、南部科学園区(南科、南部サイエンスパーク)で、台南オペレーションセンターの開幕式を開催した。研究開発(R&D)や部品の修理、人材教育の拠点として、従業員1000人以上が働く見込みだ。ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が南部でAI(人工知能)向け半導体の先進製造プロセスや先進封止(アドバンスドパッケージング)の生産能力を増強する中、顧客の近くで技術向上、量産までの時間短縮を支援する。4日付電子時報などが報じた。
東京エレクトロン台湾の台南オペレーションセンター(台南市政府リリースより)
開幕式には、TSMCの張宗生・先進技術フォトマスク工程副総経理や南科工場長、聯華電子(UMC)や華邦電子(ウィンボンド・エレクトロニクス)の南科工場の幹部が出席した。
東京エレクトロン台湾の張天豪・総裁は、台湾は月間10数万枚以上のAI半導体を生産しており、世界で唯一の2ナノメートル製造プロセスの生産拠点も近く量産を開始する予定で、世界の半導体産業の重要拠点と指摘した。先進プロセスの設備やソフトウエアなどの技術は、顧客と共同開発する必要があると説明。台南オペレーションセンターを設立することで、各方面の優秀なエンジニアを一箇所に集めることができ、先進製造や先進パッケージングの技術的課題を解決し、歩留まり率を向上させ、量産までの時間を短縮することができると語った。
台南オペレーションセンターの開幕式には、東京エレクトロンの河合利樹代表取締役社長CEO(最高経営責任者、左5)や張・総裁(右1)のほか、郭智輝・経済部長(左6)や黄偉哲・台南市長(左2)も出席した(東京エレクトロン台湾フェイスブックより)
台南オペレーションセンターには、日本本社の最新技術と同じ「テスティングテックラボ」を設置した。半導体の検査(テスティング)やソフトウエアとハードウエアの開発、実験、出荷など一貫サービスを提供する。修理センター(リペアセンター)を併設し、顧客に修理品を返送する時間を短縮する。従業員の安全のため、器材の操作方法などを学ぶ研修教室も設置した。
台南オペレーションセンターは22年11月に着工した。投資額は20億台湾元(約90億円)以上。6階建てで、面積は3万5000平方メートル。
張・総裁は、台南オペレーションセンターのほか、新竹科学園区(竹科、新竹サイエンスパーク)で台湾技術センターも拡張中だと説明した。
東京エレクトロン台湾は28年前に台湾に進出し、桃園市(林口)、新竹県市、台中市、台南市、高雄市にオフィスがある。
■TSMC、南科で3ナノ量産
TSMCは22年から南科の12インチウエハー工場「Fab18」で、3ナノ製造プロセスの量産を開始した。2ナノは25年に南科の楠梓園区(高雄市楠梓区)と新竹科学園区(竹科、新竹サイエンスパーク)宝山用地(新竹県宝山郷)で、量産を開始する予定だ。
TSMCは、先進封止のチップ・オン・ウエハー・オン・サブストレート(CoWoS、コワース)などの需要にも追われている。現在、南科の嘉義園区(嘉義県太保市)で先進封止のAP7工場を建設中だ。今年8月には、液晶パネル大手、群創光電(イノラックス)から台南工場を購入すると発表しており、先進封止のAP8工場にする計画だ。さらにイノラックスの周辺工場を購入するとのうわさが絶えない。
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