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TSMC、生産部門で無給休暇実施 


ニュース 電子 作成日:2008年12月4日_記事番号:T00012053

TSMC、生産部門で無給休暇実施 

 
 ファウンドリー世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は3日、生産部門の従業員に対し、月間5日間の無給休暇の強制取得を指示した。華碩電脳(ASUS)も新規採用を中止した上で約200人の削減を計画、台塑集団(台湾プラスチックグループ)も設備稼働率の低い紡繊部門で来年からの無給休暇実施を検討するなど、まれにみる不景気の中、大手企業もコスト削減に必死だ。4日付工商時報などが報じた。
 
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管理職に「2割減給相当」の措置

 TSMCの今回の措置は15%の減給に等しいが、生産部門以外でも来年明けから毎週1日の無給休暇を実施する予定だ。また管理職に対しては、出張時の航空機の座席クラスも従来より1段階下げるよう指示が出され、交通手当(月6,000台湾元=約1万6,600円)も支給が中止される。これらの措置は中級管理職で20%の減給に等しいという。

 工商時報によると、TSMCはコーポレートガバナンス(企業統治)の面で域内の模範企業となっており、半導体業界では日月光半導体(ASE)、矽品精密工業(SPIL)、茂徳科技(プロモス・テクノロジーズ)なども、既に同様の人件費節減策を計画済みだという。

ASUS、業績不良者の解雇増も
 
 ASUSは3日、各部門の責任者に対し「人事凍結令」を通知した。同社では、今年1~10月に従業員が24%増加した反面、第1~第3四半期の利益は前年同期比で8.4%減少したため、「従業員増加に急ブレーキをかける必要があり、新規採用中止を指示した」と説明した。また4日付電子時報によると、ASUSは今年、2年連続で業績不良だった従業員の解雇比率を、3%から5%(約200人)への引き上げを検討しているもようだ。

台プラ、25年ぶりの無給休暇
 
 また台プラでも、不景気対策として来年の石化部門における資本支出を数百億元縮小するよう指示を出したほか、稼働率の低い紡繊部門で来年から無給休暇を実施することも検討している。実現した場合、第2次オイルショック以来25年ぶりのケースとなる。

 なお台プラは傘下企業の無給休暇実施について、▽台湾塑膠工業(フォルモサ・プラスチックス)▽台湾化学繊維(フォルモサ・ケミカルズ&ファイバー)▽南亜塑膠工業(南亜プラスチック)▽台塑石化(フォルモサ・ペトロケミカル)──の「台プラ4宝」では当面実施せず、有給休暇や特別休暇の消化を優先させる考えだ。

 しかし、傘下DRAMメーカー、南亜科技および合弁の華亜科技(イノテラ・メモリーズ)とでは、既に実施している「5日出勤1日無給休暇」措置の拡大を検討し、プリント基板の南亜電路板(NYPCB)でも、今月中に実施する可能性があるという観測が出ている。

エピスター、出勤が月7、8日に
 
 このほか発光ダイオード(LED)大手の晶元光電(エピスター)では、高級管理職で昇級取りやめ、および週1日の無給休暇実施を決めた。これは20%の減給に等しく、LED業界では初の減給措置だ。

 同社は受注が激減している。11月に50~60%まで低下した稼働率が12月はさらに低下する見通しのため、生産部門ではこれまでの「2日出勤2日休暇」態勢から「2日出勤6日休暇」へと休みを大幅に増やす。人員を削減しない代わりに月に実質7、8日の出勤態勢としてコストを抑え、苦境を乗り切りたい考えだ。