海運世界最大手、マースクは先週、アジア~米国西海岸路線で、40フィートコンテナの運賃を従来の1個当たり1,700米ドルから1,300米ドルまで一気に400米ドル引き下げた。長栄海運(エバーグリーン・マリン)は4日これに追随し、重要貨物は1,300米ドル、混載貨物は1,400米ドルという新料金をフォワーダーに通知した。5日付工商時報が報じた。
マースクの値下げは海運業界の反発を呼んでいるが、他社も追随値下げを迫られるものとみられる。陽明海運の主管は、「現在は市場のオフシーズンで、値下げしたからといって貨物が増えるわけでもなく、マースクはかえって利益を損なう」と批判。韓国海運会社の台湾拠点の幹部は、「韓国の深刻な危機に乗じて、韓国の海運会社を破たんに追い込もういう目的があるのではないか」と分析した。
上海でマースクと取引のある海連国際貨運公司の邱如森総経理によると、下半期は米国路線で貨物が3割減少するなど不況の影響が深刻化している。一方、今年新たに建造されたコンテナ船は490隻で、積載トン数の増加率は14.6%。来年は新造465隻、トン数増加率は14.9%と余剰が深刻になる見通しだ。このため、世界の海運大手5社が、瑕疵(かし)などを理由に造船会社からの新造コンテナ船の引受スケジュールを延ばしており、特に韓国造船業界に打撃を与えているという。