ニュース 社会 作成日:2025年4月14日_記事番号:T00121108
ワイズ横丁台湾政府が中国の侵攻を想定し、全土に約1万3000店舗あるコンビニエンスストアを「戦時の拠点」として活用し、食料や衣料品などを住民に配給する計画があると、英紙・ガーディアンの報道を基に台湾各紙が報じた。
コンビニが台湾有事の際の食料配給などの拠点として計画されていると報じられた(12日=中央社)
台湾有事の際には、台湾への外部からの支援はほぼ断たれる可能性が高い。鉄道の運行が停止され、空域も閉鎖され、貨物輸送など非軍事目的の航空便は許可されなくなるほか、インターネットや通信も遮断される恐れがある。そこで、コンビニを拠点に食料や医薬品の配給、政府の公報をコンビニの窓に貼り出すことや、コンビニの緊急用無線設備を利用して住民がメッセージを送受信することが想定されているという。
政府はコロナ禍でマスクが不足した際に、コンビニを通してマスクを配布したことがある。
経済部統計処によると、台湾のコンビニ店舗数は2023年末時点で1万3706店だった。人口1703人に平均1店と、日本を超えて、韓国に次ぐ世界2位のコンビニ密度だった。
頼清徳・総統は24年6月、中国からの侵攻や大規模災害に備えて、国防だけでなく民間インフラや住民レベルまで含めた社会全体の防衛体制強化を目指し、自らをトップとする「全社会防衛靭性委員会」を発足させた。委員には政府機関のほか、産業界、民間団体などの代表のほか、学識経験者らが含まれている。
総統府の郭雅慧・報道官は13日、全社会防衛韌性委員会での議論の際、1999年9月21日にマグニチュード7.3を観測した中部大地震(921地震)で大型スーパーマーケットの事業者が災害救援で果たした役割と経験を共有したことを明らかにした。また、委員の中には国際的な事例を参考に、民間流通ルートとの協力を取り入れるべきだとの提案があったことは認めたものの、「現在のところ、報道されているような具体的な計画は存在しない」と述べた。
同委員会は緊急事態に備えて社会全体のレジリエンス(強靱性)を高めるため3月27日、初めての大規模な実地訓練を台南市で実施し、頼・総統も視察した。
また、毎年実施している防空演習の「万安演習」と、1年交代で県市ごとに実施している防災訓練「民安演習」を統合した「城鎮靱性演習」が7月にかけて11県市で実施される予定だ。
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