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米中が関税引き下げで合意、台湾メーカーに安堵感【図表】(トップニュース)


ニュース その他分野 作成日:2025年5月13日_記事番号:T00121632

米中が関税引き下げで合意、台湾メーカーに安堵感【図表】(トップニュース)

 米中が12日、互いに課している追加関税を115%引き下げることで合意したことで、電子機器受託製造サービス(EMS)最大手の鴻海精密工業(ホンハイ・プレシジョン・インダストリー)など、中国での生産比率が50~75%に上る電子製品の受託生産メーカーや、鉄鋼、機械、石油化学、製靴業界などでは、安堵感が広がった。米中は90日間の停止期間中に協議を続ける。ある電子業界関係者は、米中の対立は不可避で不可逆的だと指摘し、サプライチェーン(供給網)の分断が進むとの見方を示した。13日付経済日報などが報じた。

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 鴻海は、中国での生産比率が約75%に上る。河南省にある鄭州工場は、アップルのスマートフォン、iPhoneの世界最大の生産拠点だ。広東省の深圳工場はiPhoneの研究開発(R&D)拠点で、新製品の多くの開発や試作が行われている。四川省の成都工場では、タブレット端末やノートパソコンを生産している。

 鴻海はベトナム、インド、メキシコなどに生産拠点を設け、中国の生産比率を段階的に引き下げているが、中国は依然として重要な生産拠点だ。

 他の受託生産大手も、中国からの生産移転を進めているものの、▽仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)、中国生産比率70%、▽緯創資通(ウィストロン)、50%未満、▽英業達(インベンテック)、60%、▽和碩聯合科技(ペガトロン)、70%──と、中国が依然、重要な生産拠点だ。広達電脳(クアンタ・コンピューター)の中国生産比率は非公表。

 PCブランド大手、華碩電脳(ASUS)と宏碁(エイサー)も、中国生産比率が高い。米国の中国に対する145%の関税発動で当初、価格戦略や在庫計画などが混乱したが、米中の関税引き下げ合意で、いったん正常化する見通しだ。


■「関税前には戻らず」

 ファウンドリー、力晶積成電子製造(パワーチップ・セミコンダクター・マニュファクチャリング、PSMC)の黄崇仁(フランク・ホアン)董事長は、関税が50%を超えれば、事実上の貿易停止だったと指摘した。米中は互いになくてはならない存在で、協議がまとまるのは時間の問題だと語った。

 プリント基板(PCB)メーカーは、現在はFOB(本船積込渡し条件)契約が多く、運賃や関税は顧客が負担しており、影響はないものの、値引き要求が増えつつあり、中長期的には利益に影響する恐れがあるとの見方を示した。

 従来型産業では、機械業界団体、台湾機械工業同業公会(TAMI)の荘大立・理事長は、米中の関税引き下げ合意で、全世界が安堵感が広がり、企業の投資意欲が高まり、設備投資につながると楽観した。

 運輸業界では、貨物利用運送事業者(フォワーダー)最大手、台驊国際控股(T3EXグローバル・ホールディングス)の顔益財・総経理は、海運・空運ともに貨物量の増加が期待できると語った。ただ、今後、関税が段階的に緩和されたとしても、米中航路の貨物量は関税引き上げ前の水準には戻らないと慎重な見方を示した。

 

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