ニュース 電子 作成日:2025年5月23日_記事番号:T00121854
ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は先日、米国子会社、TSMCアリゾナを通じ、米国商務省に対し、半導体などを対象にした関税措置の実施に関する意見書を提出し、いわゆる半導体関税の自制を要請した。TSMCは、半導体関税を発動すれば、半導体を製造するコストが上昇し、顧客が最終製品の値上げを迫られ、需要が減少すると懸念を示した。先進製造プロセスの顧客はアップル、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、エヌビディアなどで、TSMCが米国アリゾナ州で建設している半導体製造工場の計画にも支障が出ると警告した。23日付経済日報などが報じた。
TSMCは意見書で、半導体を製造する設備や原材料は米国に輸入する必要があり、半導体設備に対して関税を実施すれば、コストが上昇し、採算に悪影響をもたらすため、工場建設の不確実性が増すと説明した。米国政府に対し、TSMCなど既に米国での投資を表明した企業を、関税実施の対象から除外するよう求めた。
またTSMCは、輸入関税を課すと、最終製品が値上がりし、需要が減少すると懸念を示した。TSMCは、米国での半導体工場計画の成功は、米国の顧客の需要によると指摘した。
TSMCは、米国政府は国内生産を拡大するため、関税を実施するより、奨励措置を講じた方がよいと提言した。半導体の投資の税額控除の期間を延長したり、税額控除率を引き上げるほか、行政手続きの迅速化、米国での製造装置や原材料の生産促進なども提言した。
■1カ月以内に発動か
米国商務省は現在、半導体関税の導入を検討するための調査を実施している。先月16日から5月7日まで、意見公募(パブリックコメント)を受け付けていた。
米国は通商拡大法232条に基づき、特定製品の輸入が国家安全保障に影響が及ぶと商務長官が判断した場合、大統領に追加関税の実施などの権限を与えている。
米国は現在、半導体をはじめ、スマートフォンやコンピューターなど電子製品を相互関税の対象から除外している。ハワード・ラトニック米商務長官は4月13日のインタビューで、除外は一時的な措置で、半導体関税に含めて、1~2カ月以内に発動する見通しだと語っていた。
TSMCは、米国で合計1650億米ドルを投じ、先進製造工場6基、先進パッケージング(封止)工場2基、研究開発(R&D)センター1基を建設する計画だ。米国アリゾナ州の第1工場(Fab21 P1)は2024年第4四半期(10~12月)に4ナノメートル製造プロセスで生産を開始した。建設中の第2工場(P2)は3ナノ、第3工場(P3)は2ナノ、A16(1.6ナノ)を採用する予定だ。
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