ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

失業で酒浸りの中年男性、アルコール依存症が激増


ニュース 社会 作成日:2008年12月12日_記事番号:T00012219

失業で酒浸りの中年男性、アルコール依存症が激増

 
 世界的な金融危機による不況で、台湾でも失業率は上昇する一方だ。突然のリストラで職を失ったり、あるいは長期間仕事が見つからない場合、酒の力を借りて憂さを晴らす失業者も多い。

 台中栄民総医院によると、これまで毎月30人以下だったアルコール依存症の外来患者が、最近は50人を超え、治療のための断酒外来は3割も増加しているという。以前は家庭不和など感情のもつれが多かったが、今では失業が原因のトップ。仕事はあっても人件費削減のため過酷な労働を強制され、ストレスがたまり依存症になったケースや、不況で業績が伸びず解雇の恐怖から依存症になったケースもあるとか。

 今年1~7月、失業が原因でアルコール依存症になり同医院を訪れた患者は108人。その9割が40代の働き盛りの男性で、平均的な家族構成は妻と子供2人。学歴が高卒程度のブルーカラー層が多く、いずれも平均16~20年の飲酒歴を持ち、中には糖尿病や循環器病を併発している患者もいた。

 トラック運転手の林さん(45)は、1年前に失業。以来終日酒浸りの日々で、肝機能に異常をきたし、うつ病も併発。工事現場でアルバイトをしたものの、運悪く足を骨折して再び失業。再び酒におぼれ、妻は愛想を尽かし子供を連れて出て行ってしまった。

 現在、林さんはキリスト教を信仰し、同医院で週に一度、断酒グループのサポートを受けている。3カ月間酒は一滴も飲んでおらず、運転手の仕事も見つかったとか。もう二度と酒浸りにならないと誓っているという。

 同医院精神科の林本堂医師は、このまま景気が低迷し失業者が増え続ければ、アルコール依存症患者数も増加する一方になると指摘している。