ニュース 運輸 作成日:2025年6月18日_記事番号:T00122335
16日午後8時40分ごろ、台北市松山区を走行していた大都会汽車客運(MTC)の262路線の電動バス(電気バス、EVバス)が炎上した。運転手と乗客7人は避難し、けが人はいなかった。台湾で走行中の電動バスから出火したのは初めて。バッテリーの故障が原因とみられる。バスを製造した華徳動能科技(RACエレクトリック・ビークルズ)は17日、炎上したバスのバッテリーは日本製で、これまでに事故の記録はないと説明した。台北市をはじめ、県市政府は電動バスの緊急点検を指示した。18日付中国時報などが報じた。
バスは全焼したが、運転手と乗客は早めに避難して無事だった(16日=中央社)
バスの運転手は事故の直前、メーターの警告灯が点灯し、動力が弱まったことに気づいてすぐに停車し、7人の乗客を降車させた。数秒後、バス後方右側のバッテリーユニットから煙が上がって火が噴き出し、爆発音とともに炎上した。バスは骨組みを残して全焼し、近くの街灯や自転車も熱で溶けた。
大都会客運の李建文・総経理によると、バスは2021年12月に華徳動能から出荷された車両で、今年3月と4月に定期点検を受けていた。点検箇所にはバッテリー、機電システム、電気制御が含まれ、いずれも華徳動能のサポートを受けていた。
華徳動能は17日、炎上したバスのバッテリーは日本のAESCジャパン(本社・横浜市)製で、事故の記録はないが、同型のバッテリーは24年に生産終了となったと説明した。
ある専門家は、中国時報の取材に対し、電動バスは最短15分で8割の充電が可能で、その際の発熱と夏場の高い気温が重なり、発火した可能性があると指摘した。
■台北市、3日以内に総点検
台北市公共運輸処は17日、同じロットで製造された電動バス20台は、安全が確認されるまで運行しないと説明した。台北市内には同型車が114台あり、初期点検では2台の車両の充電システムに異常が見つかり、運行を停止していると説明した。
台北市には現在、電動バスが858台あり、台北市公共運輸処は各事業者に対し、車両や充電ステーションなどを3日以内に総点検するよう求めた。
新北市には、同型車が56台あり、640路線、637路線、656路線で運行している。侯友宜・新北市長は、同型車の電動バスや充電ステーションなどを総点検し、異常があれば運行を停止すると説明した。
台中市政府は、華徳動能が製造した電動バスは80台余りで、バス事業者3社が17日、華徳動能の技術者に依頼して点検したと説明した。
高雄市には電動バスが300台以上ある。陳其邁・高雄市長は、華徳動能製は3台で、型式が異なるものの、即日運行を停止して点検すると表明した。
■30年の全面電動化目標
行政院は、50年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラル目標に向け、30年までに路線バスや高速バスを全面電動化する目標を掲げている。
交通部の統計によると、5月末時点で台湾全土の電動バスは2028台で、うち路線バスは1991台、高速バスは37台。昨年末までに4分の1が電動バスに切り替えられた。
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