ニュース 政治 作成日:2025年6月23日_記事番号:T00122414
中央選挙委員会は20日、最大野党の国民党の立法委員(国会議員)24人への罷免(リコール、解職)の是非を問う投票を7月26日に実施すると発表した。市民団体のリコール請求の背景には、国民党と台湾民衆党の賛成多数で、2025年度の中央政府予算案の大幅削減・凍結が決まり、防衛予算の減少で中国への抑止力が低下することや、家賃補助など生活に関わる支援が削られることへの懸念や不満があるようだ。台北市の国民党の立法委員の大部分、桃園市の全員が対象となったほか、国民党の立法院党団(議員団)総召集人を務めている花蓮県の傅崐萁・立法委員が含まれる。6人以上のリコールが成立すれば、年内の補欠選挙で、民進党の少数与党がひっくり返る可能性がある。中央社電などが伝えた。
民進党の郭昱晴・立法委員(前左1)は21日、桃園市内で街頭演説を行い、リコールに同意票を投じようと呼びかけた(21日=中央社)
定数113議席のうち国民党は52議席で、その半数近い24人がリコール対象だ。
それぞれの選挙区は、▽台北市、5人、▽新北市、5人、▽桃園市、6人、▽台中市、3人、▽雲林県、1人、▽花蓮県、1人、▽台東県、1人、▽基隆市、1人、▽新竹市、1人──。台北市は立法委員8人のうち国民党が6人で、うち5人が対象となり、桃園市は立法委員6人全員が対象となった。花蓮県の傅・立法委員は、国民党の立法院党団総召集人を務めているほか、元・花蓮県長で地元で影響力が強い。民進党は傅・立法委員をターゲットとすることで、民進党支持者だけでなく、中間層を投票に引っ張り出す狙いだ。
投票では、有効な賛成票(罷免に同意)が反対票を上回り、かつ賛成票が選挙区の有権者総数の4分の1以上で、リコールが成立する。リコールが成立した選挙区は、公告日から3カ月以内に補欠選挙を実施する。
今回投票が決まった24人のほかにも、国民党立法委員7人の署名運動と審査が行われており、投票の対象は増える可能性がある。
国民党の支持者も、民進党の立法委員へのリコール請求運動で対抗したが、2件が署名運動期間中で、まだ1件も投票の段階に進んでいない。
■民進党、6議席で多数与党に
民進党は現在、定員113議席のうち51議席で、少数与党だ。過半数を得るために、少なくとも6人をリコールして、補欠選挙で6議席を積み増したいところだ。
民進党は先週から、街頭演説を始めており、来週には投票を呼びかける大型看板を200枚以上設置する予定だ。
国民党の朱立倫・主席は、1議席も失わないことを目標に、戦闘モードに突入すると党内に呼びかけた。
党関係者によると、2026年に行われる統一地方選挙の前哨戦と位置づけ、台北市、新北市、桃園市、台中市などの国民党所属の首長がリコール対象の立法委員と連携し、有権者の支持を得る戦略だ。
国民党は21日、台北市中山区で集会を行い、リコールが成立すれば、国定休日(祝日)を5日追加した法案などが取り消される恐れがあると、有権者の情に訴えた。
国民党の朱・主席(右2)は21日、台北市南港区での集会で、不同意への投票を呼びかけた(21日=中央社)
台湾民衆党の黄国昌・主席は、政治の泥仕合を拒否し、頼・総統に対する不信任票を投じるため、投票に行き、不同意に1票を投じようと呼びかけた。
立法委員のリコール投票と同日に、高虹安・新竹市長(停職中、台湾民衆党を離党)に対するリコールの是非を問う投票も行われる。高・新竹市長は、台湾民衆党の立法委員だった当時、秘書給与を詐取した罪で有罪判決を受けた。
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