世界的な金融危機で景気低迷が続き、失業率は上昇する一方だ。中でも中高年の失業者の増加は深刻な問題で、行政院主計処の統計によると、今年1~10月における45~64歳の失業者数は平均8万3,000人。昨年同期比で11.75%増と、他の年齢層に比べて上昇率が特に高くなっている。
そんな中、中高年の就職市場に一筋の希望の光が差し込んでいる。年齢に関係なく、時間と体力さえあれば仕事のチャンスがある「便利屋」が副業として人気を集め、ちょっとした求職ブームになっているのだ。
会員1万4,400人以上を抱える便利屋の求人求職サイト「跑腿幇」(「跑腿」は使い走りの意、
http://www.parttime.com.tw/ )では、ここ半年間、中高年の会員が増加しており、特に30~50歳が約2割も増えたという。
お客のさまざまな要求に応える便利屋の仕事は、実にバラエティ豊か。ダイレクトメールの発送や臨時のベビーシッター、引っ越し手伝い、ショッピングの荷物持ちなどの仕事もあれば、映画やコンサートなどの長蛇の列に並びチケットを入手する、夜食を買いに行って届ける、といった使い走りの代理業、果ては冠婚葬祭のエキストラまで、まさに何でもありだとか。
時給は平均150台湾元(約410円)と安いものの、年齢や学歴、専門知識など特殊な能力が全く問われないとあって、中高年失業者にとってはぴったりという訳らしい。
「暇な人材を活用し、社会を活性化させよう」という主旨からスタートした同サイトは、今後、効率化を図るため企業化されて、会社「Mr.跑腿」となる計画だ。まさに隙間(すきま)産業の成功と言えるだろう。