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TSMC米国アリゾナ第2工場、27年に稼働前倒しか【図表】(トップニュース)


ニュース 電子 作成日:2025年6月30日_記事番号:T00122556

TSMC米国アリゾナ第2工場、27年に稼働前倒しか【図表】(トップニュース)

 サプライチェーン(供給網)関係者によると、ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が米国アリゾナ州で建設している第2工場(Fab21 P2)について、2026年第3四半期(7〜9月)に設備を搬入し、27年に3ナノメートル製造プロセスで生産を開始するようだ。これまでは28年の量産開始とされていた。米国の関税政策や顧客の需要に応えるためフル稼働で建設を進めている。30日付工商時報が報じた。

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 設備関連業者によると、工場の建物が完成した後も内部の工事には約2年かかるため、P2の稼働に向けたスピードは非常に速いという。

 サプライチェーン関係者は、年内に現地入りして、P2に対応する予定だと明かした。証券会社は、半導体向け特殊ガスや特殊化学品などの分野でも北米からの受注が相次ぐ見通しで、化学メーカーの上品綜合工業(ASC)や勝一化工(シャイニー・ケミカル・インダストリアル)などの受注が増えると予想した。

■CoWoSは台湾で

 TSMCのアリゾナ工場第1工場( P1)は24年第4四半期(10~12月)で4ナノメートル製造プロセスで生産を開始した。第3工場(P3)は今年5月に着工式典を開催した。2ナノ、A16(1.6ナノに相当)を採用する。

 このほか、TSMCは米国でもう3基の先進製造工場、先進パッケージング(封止)工場2基、研究開発(R&D)センター1基を建設する計画だ。

 市場関係者は、米国での先進パッケージング工場計画は、人材確保や工場許認可などで時間がかかる見通しで、1基目の先進パッケージング工場(AP1)は、早くとも26年第3四半期に着工する見込みと説明した。

 また、工場はシステム・オン・インテグレーテッド・チップス(SoIC)を採用する計画で、チップ・オン・ウエハー・オン・サブストレート(CoWoS、コワース)は依然として台湾で行う必要があるという。

 証券会社は、工場の建設コストの上昇と人工知能(AI)需要の高まりを反映して、TSMCは26年にウエハーの受託生産価格を3〜5%引き上げ、米国工場では10%以上引き上げる可能性もあるとの見方を示した。

 TSMCの投資計画では、25年だけで9つの新工場、11の生産ラインを建設している。

 業界関係者によると、下半期(7〜12月)に量産する計画の2ナノ製造プロセスを採用する南部科学園区(南科、南部サイエンスパーク)楠梓園区(高雄市楠梓区)の工場(Fab22)について、第2工場は第3四半期に設備を搬入し、第3工場は26年第1四半期(1〜3月)に完成予定とされる。

 

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