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龍潭園区、陳前総統が「天の声」


ニュース 政治 作成日:2008年12月15日_記事番号:T00012258

龍潭園区、陳前総統が「天の声」

 
 新竹科学工業園区龍潭園区(桃園県)に絡む収賄事件では、陳水扁前総統の「天の声」が国家科学委員会(国科会)による用地取得の決め手となっていたことが起訴状などから分かった。13日付台湾各紙が伝えた。

 龍潭園区はもともと、実業家の故辜振甫氏らが経営していた達裕開発が桃園県龍潭郷で200ヘクタールの用地を取得して造成したが、事業が順調に進まず巨額の負債を抱えるに至った。このため、経営者の辜成允氏は2003年ごろ、呉淑珍夫人の大学の同窓生の弟に当たる蔡銘哲氏に総統官邸を訪問させ、国科会に龍潭園区の用地を買い取ってほしいと申し入れた。この際に4億台湾元(約11億円)のわいろを支払うとの密約が交わされた。

 その後、呉淑珍夫人は陳前総統に対し、龍潭園区の用地買い取りを強く働き掛けた。これを受けた陳前総統は「天の声」を発して、龍潭園区を新竹科学工業園区へと編入することを決定した。

 しかし、行政院は当時、総統選が近い時期に特定企業に便宜を図るような用地買収を行えば、誤解を招きかねないとして難色を示したため、用地を直ちに買い取るのではなく借地形式とすることで決着したという。

 辜成允氏は04年に密約に従い、わいろとして1,198万米ドルを支払っていた。陳前総統サイドに渡ったわいろは当時の為替レートで約4億台湾元に上る。