ニュース その他分野 作成日:2025年7月4日_記事番号:T00122662
米国は2日、ベトナムからの輸入品に対する相互関税を20%に引き下げることに合意した。一方、中国からベトナム経由で迂回(うかい)輸出することを防ぐため、ベトナムで積み替えて米国に出荷する製品には40%の関税を課す。ベトナムでは、台湾のノートパソコン受託生産メーカーや、アパレル、製靴、自転車、ゴルフ用品メーカーなどが生産している。4月時点で発表していた46%から大幅に引き下げられたことで、メーカーの間に安堵感が広がっている。4日付工商時報などが報じた。
サプライチェーン(供給網)関係者は、「ベトナム積み替え」の定義が不明な上、米国は中国からの一部輸入品に対する25%の301条関税の免除措置を8月末まで延長しているので、各社が直ちに生産地を見直すことはないと予想した。
■中国に次ぐ生産拠点
ノートPC受託生産大手、仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)は、ベトナムで顧客の数多くの製品を生産しているが、米国工場計画に変更はないと説明した。
コンパルは、ベトナムでのノートPC生産能力が中国に次ぐ規模だ。ベトナムには工場が3基あり、デルのノートPCのほか、インターネット通信機器、スマートデバイスなどを生産している。
和碩聯合科技(ペガトロン)はベトナムで、マイクロソフト(MS)のノートPCのSurface(サーフェス)シリーズやゲーム機のXbox(エックスボックス)を生産している。ペガトロン幹部は先日、生産拠点を移管するかは、顧客と協議して決めると説明した。
電子機器受託製造サービス(EMS)最大手、鴻海精密工業(ホンハイ・プレシジョン・インダストリー)は、ベトナムでアップルのiPadやMacBook(マックブック)、AirPods(エアーポッズ)、アップルウオッチなどのほか、AI(人工知能)サーバーを生産している。
広達電脳(クアンタ・コンピューター)はベトナムでマックブックを生産している。
緯創資通(ウィストロン)はデルのノートPCを生産している。
英業達(インベンテック)は米国の顧客のデバイスを生産している。
■不確実要素が減少、受注安定へ
アパレル受託生産大手、聚陽実業(マカロット・インダストリアル)は、関税率が確定したことで、顧客の調達計画が安定し、発注が延期されることがなくなると予想した。マカロットは、ベトナムの生産能力が35%を占める。
ニット生地最大手、旭栄集団(ニューワイドグループ)の黄冠華・執行董事は、関税政策で、サプライチェーンの再編が起きる可能性があると語った(3日=中央社)
化学繊維大手の遠東新世紀(ファーイースタン・ニューセンチュリー、FENC)は、インドネシア、カンボジア、フィリピンなどの関税率が未定のため、顧客がまだ様子見だと説明した。遠東新世紀は、ベトナムが海外で最大の生産拠点だ。
製靴大手の宝成工業(PCC)は、顧客と協議して対応すると説明した。第1四半期(1~3月)の構成比は▽インドネシア、55%、▽ベトナム、31%、▽中国、10%、▽その他、4%──だった。
■4日から関税率通知
米国のドナルド・トランプ大統領は3日、早ければ4日から各国に対し関税率を通知する書簡を送ると述べた。関税率は10~20%や60~70%などで、8月1日から徴収する。
台湾からの輸入品に対する関税率は4月時点発表の32%から、半分以下になると期待されている。
【セミナー情報です】
在台日系企業でAI活用は可能か?現地法人における生成AI活用術セミナー。AIによる業務改善、生産性向上の方法を紹介します。
検索は「ワイズ、生成AI活用術」。
【セミナー情報の詳細はこちら】
https://www.ys-consulting.com.tw/seminar/122303.html
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722