ニュース 電子 作成日:2025年7月11日_記事番号:T00122818
液晶パネル大手、群創光電(イノラックス)は10日、南部科学園区(南科、南部サイエンスパーク)台南園区(台南市新市区)の第5工場を2026年の半ばまでに閉鎖する計画だと発表した。パネル市況の低迷が続き、イノラックスは22年、23年と大幅赤字を計上し、24年は台南第4工場などの売却で、最終黒字を実現した。今後、南科第5工場以外にも工場2基を閉鎖する計画とされる。11日付工商時報などが報じた。
イノラックスは9日の工場長会議で、南科第5工場を閉鎖すると発表した。南科第5工場は、第5世代ガラス基板を使用し、主にノートパソコンやモニターなどのIT(情報技術)製品用パネルと医療向けパネルを生産している。26年の半ばまでに、南科の第3工場や新竹科学園区(竹科)竹南科学園区(苗栗県竹南鎮)のT2工場(第6世代)に生産を移管する。顧客のPC大手、宏碁(エイサー)や華碩電脳(ASUS)、デル、HPに既に通知し、T2工場の認証作業を進めている。
南科第5工場のほか、X線センサーを生産している南科第2工場と竹科竹南園区のT1工場も閉鎖する計画とされる。
イノラックスは、市況の変化に合わせた生産調整で、パネル以外の事業を拡大し、経営資源を潜在成長性がある分野に充てると説明した。
イノラックスは24年、南科第4工場をファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)に売却した。24年には、中国の江蘇省南京市のモジュール工場も売却した。設備は中国浙江省の寧波工場に移設し、従業員1000人は解雇した。
24年の連結売上高は前年比2.3%増の2165億1000万台湾元(約1兆900億円)、純利益は64億7300万元で、3年ぶりに黒字に転換した。23年の損失は186億4300万元、22年は279億9000万元だった。
■車載用や半導体封止に注力
台湾のパネルメーカーが第5世代や第6世代のガラス基板を使用して、古い生産ラインで生産しているのに比べ、中国のパネルメーカーの多くは、テレビ用パネルは第10.5世代ガラス基板、IT製品用パネルは第8.5世代ガラス基板を使用して生産しており、競争力がある。
イノラックスの洪進揚・董事長は5月の株主総会で、自動車メーカーに部品を直接納入するティア1(一次)とともに、半導体の先進パッケージング(封止、アドバンスドパッケージング)に注力すると表明していた。
イノラックスは6月26日、シンガポール子会社が、車載電子機器メーカー、パイオニアの全株式を1636億円で取得すると発表した。
一方、液晶パネル大手、友達光電(AUO)は22~24年と3年連続で最終赤字だった。24年8月にカラーフィルター(CF)工場を売却、25年2月に子会社の工場をマイクロン・テクノロジーに売却すると発表した。単なるパネルメーカーを脱却し、パネルを中心としたディスプレイのソリューション会社に転換することを目指している。
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