ニュース 電子 作成日:2025年7月15日_記事番号:T00122876
人工知能(AI)サーバーなど電子機器受託生産大手、緯創資通(ウィストロン)の林建勲・総経理兼執行長(CEO、最高経営責任者)は14日、AIサーバー需要は堅調で、供給不足が続いていると述べた。米国の関税政策が一部発表されたが、顧客から生産調整の要望はまだないと語った。ウィストロンは全世界に生産拠点があり、複数の代替案を用意していると話した。15日付工商時報などが報じた。
林・総経理は14日、台北市内湖区でウィストロンのAI研究開発ビルの起工式に出席した後、報道陣の取材に応じた。
林・総経理は、米国は一部の国・地域に対する関税措置を発表したが、実施に当たっての詳細はまだ明らかにされていないと語った。これまでのところ、顧客から生産調整の要望はなく、ウィストロンは既存の計画に従っており、出荷や生産拠点の調整はしていないと述べた。
林・総経理は、ウィストロンは近年、全世界に生産能力の部署を配置しており、台湾や東南アジア、米国、欧州のいずれでも生産支援が可能だと説明した。トランプ氏が米国の大統領に選出されたときから、ウィストロンは顧客とともにシミュレーションを行い、プランB、プランC、プランDなど複数の対応策を策定していると述べた。
ウィストロンの林・総経理は、米国の関税措置はまだ全て明らかでなく、今のところ現状を維持していると述べた(14日=中央社)
AIサーバー市場について林・総経理は、AIサーバー需要は堅調で、市場は供給不足が続いていると語った。AI技術の進化に伴い、顧客のAIサーバーも高性能化していると述べた。
一方で、ノートパソコンやデスクトップPC、スマートフォンなどは市場が成熟している。林・総経理は、こうした製品は、米国の関税引き上げによって最終製品の販売価格が上昇し、消費者の買い替え意欲を抑制する可能性があると語った。ただ、顧客は今のところ、コストが高い米国などへの生産移転を検討していないと述べた。
■米ダラス工場、来年Q1量産へ
林・総経理は、テキサス州ダラスに建設中のAIサーバー工場2基は、計画通りに進んでおり、来年第1四半期(1~3月)に量産を開始する予定だと説明した。
ウィストロンは、顧客の需要を受け、米国でAIサーバー生産ライン設置を進めているものの、台湾が主なAIサーバー生産拠点だ。
新竹県竹北市のAI智慧園区(AIスマートパーク)で今年6月に稼働した新工場は、グラフィックスプロセッサー(GPU)大手、米エヌビディア向けだ。A1工場とA2工場がいずれも稼働すれば、ウィストロンの台湾でのAIサーバー生産能力は倍増する。
台北市内湖区で同日着工したAI研究開発ビルは、地上8階、地下4階建て。延べ床面積は9425坪で、2028年に完成予定だ。ウィストロン傘下のサーバー受託生産メーカー、緯穎科技服務(Wiwynn)の新本社ビルと隣接している。台北市内湖区にあるウィストロンの本社やデジタルコンテンツ・イノベーションセンターから約1キロメートルと近い。
【セミナー情報です】
在台日系企業でAI活用は可能か?現地法人における生成AI活用術セミナー。AIによる業務改善、生産性向上の方法を紹介します。
検索は「ワイズ、生成AI活用術」。
【セミナー情報の詳細はこちら】
https://www.ys-consulting.com.tw/seminar/122303.html
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722