中台間の海運直航が15日に実現したことで、長栄海運(エバーグリーン・マリン)、陽明海運(ヤンミンライン)など台湾の海運大手は、これまで華北、華中方面の港湾で積み替え、欧米に輸送してきた中継貨物の一部を、高雄港へシフトさせる動きを加速している。海運業界は、一連の動きが年間3,500万米ドルのコスト削減につながり、高雄港が世界の港湾ランキングで10位圏内にとどまることに貢献するとみている。16日付経済日報が報じた。
高雄港のコンテナ集積場。取扱量は今後年間100万トン増えるという予測もある(15日=中央社)
長栄海運は、これまで香港、上海で積み替えていた中継貨物を高雄港まで運び、欧米に輸送する方針だ。シフトする中継貨物の規模は年間10万TEU(20フィートコンテナ換算の積載量)を見込む。また、中国が中台直航に開放した63港湾のうち、大型船が接岸できない中小港湾にはフィーダー船を運航し、高雄港まで貨物を輸送する計画だ。
このほか、陽明海運や万海航運も中台直航で高雄港での貨物積み下ろしが増えると見込んでおり、業界全体で高雄港での中継貨物量は35万TEU以上増えるとみられる。
これまで中台航路の拠点となっている高雄港のオフショア海運センターで取り扱う中継貨物量は、年間40万TEU余りだった。
華岡船務の洪清潭董事長は、「現在高雄港の20フィートコンテナの積み下ろしコストは1個当たり50~60米ドルだが、貨物取扱量の増加で30~35米ドルまでの引き下げが可能になるのではないか」との見方を示した。