ニュース 社会 作成日:2025年7月29日_記事番号:T00123143
中南部を中心に28日から豪雨が断続的に続き、広い範囲で浸水・冠水被害が発生した。7月7日に上陸した台風4号(アジア名・ダナス)の被害が残る中、交通部中央気象署(CWA)は、30日は南西の気流の影響が強まり、31日から弱まるが、8月4日まで南西の風が続く見通しで、南部や中部の山間部は豪雨・大雨に警戒するよう呼び掛けた。中央社電などが伝えた。
嘉義県太保市の後潭平安宮では、乗用車の半分ほどの高さまで浸水した(28日=中央社)
■雨量400ミリ以上
中央気象署は28日午後2時から、「大規模または激しい豪雨に対応する特別作業体制」を発動した。29日に発表した今後3日間の全台湾の予想降水量は、高雄市、屏東県の山間部は500~900ミリ、台南市は500~700ミリ、嘉義県は300~500ミリに上った。
嘉義県、台南市、高雄市、屏東県政府は同日夜、29日は公共機関・学校を休みにする「停班停課」の措置を取ると発表した。
中央気象署の観測によると、28日午後7時50分までの累加雨量は、嘉義県が441ミリ、次いで台南市が423ミリ、雲林県が399.5ミリだった。台中市と嘉義市でも200ミリ以上が観測された。
■TSMC嘉義工場の建設現場も浸水
嘉義県太保市にあるファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の先進パッケージング(封止、アドバンスドパッケージング)工場「AP7」の建設現場も浸水した。TSMCは28日、嘉義県の工事現場は請負業者が管理しており、嘉義県政府の規定に従い工事を停止したと説明した。道路の一部で冠水があり、排水作業が進められている。
AP7工場で主な工場インフラ工事を請け負う漢唐集成(ユナイテッドインテグレーテッドサービス、UIS)は、土木はほぼ完成し、現在はインフラ整備の初期段階だと説明した。雨で、施工済みエリアに多少の影響があったが、工事は計画通り進めると強調した。
嘉義県新港郷では、洪水が養豚場に流れ込み、多数の子豚が死んだり、親豚が水の中で浮き沈みしながら苦しげに鳴いていた。業者は、涙も出ないと語った。
嘉義県新港郷の養豚場も浸水し、親豚は頭しか水面に出ていない状況だ(28日=中央社)
嘉義県朴子市の養豚場でも豚舎が冠水した。業者は豚100頭以上を豚舎の外に出して被害の拡大を防いだ。
■台風4号被害に追い打ち
嘉義県や台南市、高雄市などは、7月7日に上陸した台風4号でも深刻な被害を受け、民家の屋根など一部はまだ復旧していない。
災害対策本部、中央災害応変中心(CEOC)が29日発表した集計によると、同日午前8時時点で、負傷者は9人で、嘉義県と台南市、高雄市で計3001人が避難した。
同日午前6時時点で、浸水や冠水の通報が240件で、うち12件はまだ水が引いていない。停電は9886戸で、うち台南市の10戸がまだ復旧していない。
卓栄泰・行政院長は28日午前、被害状況を把握するため、龔明鑫・秘書長と前交通部長の李孟諺・顧問を南部へ派遣した。陸軍第八軍団は災害対応支援として部隊が出動し、被災者支援に当たった。
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