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作成日:2008年12月17日_記事番号:T00012320
大直航、台湾企業の二重課税リスクが増大
海運直航の解禁など中台間で「大直航」が実現したことを受け、プライスウォーターハウスクーパース(資誠会計師事務所)の林宜賢会計士は16日、中台間で二重課税問題が表面化すると見込まれ、租税協定の速やかな締結が望まれるとの認識を示した。17日付工商時報が伝えた。
林会計士は一例として、中国への日帰り出張でも中国側は「居住日数1日」とカウントするため、出張ベースでの中国滞在期間が90日を超えれば、税法上の「居住者」と見なされ、20%の所得税源泉徴収の対象になると指摘した。仮に外国人が中台間を頻繁に往来した場合、居住日数が重複カウントされ、中台双方で重複課税される可能性が高まるという。
また、中国の改正企業所得法で、企業の生産活動や営業活動全体の経営や管理が中国国内で行われている場合は、実質的な経営機構が中国国内にあると見なされ、同法が定める「居住者企業(居民企業)」に分類される。この場合、中国の税務当局は当該企業の全世界における所得に対し課税権を持つことになり、台湾企業は大きなリスクを背負うことになる。
林会計士は「居住者企業と認定されないためにも、企業責任者は頻繁に中国に行かないほうがよい」とアドバイスした。
林会計士は「中台の人的交流が活発になると多くの特殊な租税問題が発生し、台湾企業の二重課税リスクが増大する。中台は早期に租税協定を締結すべきだ」と主張した。