ニュース 電子 作成日:2025年8月15日_記事番号:T00123518
電子機器受託製造サービス(EMS)最大手、鴻海精密工業(ホンハイ・プレシジョン・インダストリー)の楊秋瑾・執行長(最高経営責任者、CEO)は14日の業績説明会で、人工知能(AI)サーバーの需要が非常に好調で、2025年の年間売上高が1兆台湾元(約4兆9000億円)を突破する見通しだと述べた。また、米国の関税政策に対応するため、テキサス州とウィスコンシン州でAIサーバーや液冷システムの生産能力を拡大し、オハイオ州ではクラウド・ネットワーク用サーバーを生産するなど、対米投資を増やす方針を示した。15日付工商時報などが報じた。
楊CEOは、AIサーバーの第2四半期(4〜6月)売上高は前年同期比60%以上増加し、AI事業を含むクラウド・ネットワーク製品の売上高構成比(41%)が初めて消費者向けスマート製品(35%)を上回ったと説明した。
第3四半期(7〜9月)のAIサーバー売上高は前年同期比2.7倍、サーバーラックの出荷は前期比4倍になる見込みで、来年もAI市場の需要は好調が続くと予測した。
鴻海のAIサーバーの売上高は現在、サーバー全体の50%以上を占めている。
ASIC(特定用途向け集積回路)サーバーについて、楊CEOは、24年における鴻海のAIサーバー売上高のうち、ASICは約20%を占めており、今後はクラウドサービスプロバイダー(CSP)とASIC分野での協力を続けると説明した。将来的にASICサーバーの売上高は増加し、増加幅は業界平均を上回ると見込んでいる。
鴻海は7月30日、総合電機メーカー、東元電機(TECOエレクトリック&マシナリー)と資本提携を結び、世界のモジューラー型AIデータセンター(DC)の商機を共同開拓すると発表した。両社がAIサーバーや機電、情報通信技術(ICT)などの強みを融合し、ワンストップでコスト競争力のあるソリューションを提供できると説明した。
■ヒト型ロボ、11月に成果披露
電気自動車(EV)事業では、5人乗りクロスオーバースポーツ用多目的車(SUV)「モデルB」が最終的な発売準備段階に入ったと説明した。また、7人乗りSUVの「モデルC」の北米仕様車は認証手続き中だと説明した。
鴻海と裕隆集団の合弁会社で、EVのCDMS(設計・製造受託サービス)を手掛ける鴻華先進科技(フォックストロン・ビークル・テクノロジーズ)は、三菱自動車とEV供給の契約を締結し、26年下半期(7~12月)から豪州やニュージーランドに輸出すると発表した。
さらに、ロボット分野では、グラフィックスプロセッサー(GPU)大手、米エヌビディアと緊密に連携してヒューマノイド(ヒト型ロボット)の「頭脳」の研究開発(R&D)を進めており、両社は複数スキルを持つAIモデルのトレーニングを共同で行っている。このモデルを活用し、工場向けにさまざまなタイプのヒューマノイドを配備する計画だ。
11月21〜22日に台北市の台北南港展覧館(TaiNEX)1館で開催する年1回の成果発表会、鴻海科技日(鴻海テックデー、HHTD)で、最新成果を披露する予定だ。
【セミナー情報です】
台湾人幹部向け生成AI活用と情報セキュリティセミナー。ワークショップで複数AIの連携活用法を学び、AIの情報セキュリティ対策も紹介します。8月25日開講。
検索は「ワイズ、生成AIワークショップ」。
【セミナー情報の詳細はこちら】
https://www.ys-consulting.com.tw/seminar/123344.html
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722