ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

「信頼感と品質」、ブランド選択の鍵に


ニュース その他分野 作成日:2008年12月19日_記事番号:T00012404

「信頼感と品質」、ブランド選択の鍵に

 
 経済誌「今周刊」(最新626号)が、ビジネスパーソンを対象に実施した「理想のブランド大調査」によると、29種類の商品項目のうち、AV機器でソニー、携帯電話ではノキア、ビールで台湾ビールと、各分野で既に知名度の高いブランドが選ばれた。世界的な金融危機で相次ぐ大手企業の破たんや食品への毒物混入事件などでブランド・商品の信用力が弱まる中、ブランド選択には「信頼感」と「品質」が特に重視されていることが分かった。
 
T000124041

 
 同調査は、9月12~30日にかけてインターネット上のアンケートによって実施された。調査対象となったのは、企業の▽上級管理職、320人▽一般管理職、1,180人──の計1,500人(男性61.7%、女性38.3%)。信頼度95%、誤差±3%。
 
 同調査では、ソニーのほか、腕時計はロレックス、婦人服はシャネル、バッグはルイヴィトンと、各分野の「代名詞」とも言えるブランドが1位を獲得した。この結果について台湾科技大学企管系の呉克振主任は、「最も鮮明な印象を残すブランドが消費者の評価を受けている」と指摘する。また同誌では、「不信感の増大により、消費者の見知らぬブランドへの信頼度が落ち、またそういったブランドを試してみようという『冒険心』も減退しており、知名度の高いブランドほど安心と信頼が得られることが読み取れる」と分析している。
 
「身近さ」では台湾ブランド
 
 このほか、ビールとノートパソコン(ノートPC)では、それぞれ台湾ビールと華碩電脳(ASUS)が海外ブランドを抑えて1位を獲得した。これについて同誌では、「熟悉感(身近さ)」が鍵になったと分析する。
 
 台湾では多種多様な海外ブランドのビールが販売されているが、台湾人は長い間台湾ビールに親しんでおり、外国産ビールにはない「身近さ」を感じているという。企業側も、台湾語でも歌う男性ロック歌手、伍佰や、先住民というバックグラウンドを持つ女性歌手、張恵妹をCMに起用するなど、台湾への郷土愛を訴え掛ける戦略を採っている。
 
 ASUSは、ブランド創設からそれほど時間がたっていないが知名度は高い。ASUSはマザーボードを主力としていた時代から、「品質は岩のよう堅い」をキャッチフレーズにしたマーケティング戦略を採っており、そのブランド名は「ノートPC」のブランドではなく、「品質」を代表するブランドとして台湾の消費者の頭に刻まれ、信頼感の獲得に成功しているという。
 
T000124042

 
「日本」は最強のブランドイメージ
 
 今回の結果に対し、台北大学財政系の林妙雀教授は、ブランドの国のイメージも影響していると指摘した。「消費者がブランドを選択する際、車と言えばドイツ、電子製品は日本、ファッションはフランスといったイメージが思い浮かんでいる」のだという。
 
 また、今回の調査では、ビジネスパーソンがブランドを選ぶ際に最も重視する項目において、年齢層、地位、性別など全カテゴリーで「品質」がトップを獲得した。同誌では、こうした傾向の下、日系ブランドは29項目中5項目で理想のブランド第1位に輝いており、同誌では「日本は最強の高品質イメージを備えている」と分析した。
 
 政治大学ブランド研究センターの楼永堅主任は、「たとえ最良のブランド戦略を採っても商品の品質が悪ければ、イメージ失墜は避けられない」として、「不信感の高まっているこの時代、最強のブランド力は結局のところ品質だ」と結論づけた。
 
【表】
 
T000124043