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日系企業の春節ボーナス、前年水準を維持


ニュース その他分野 作成日:2008年12月22日_記事番号:T00012437

日系企業の春節ボーナス、前年水準を維持

 
 景気が世界規模で大幅に落ち込む中、ワイズコンサルティングが独自に行った調査によると、在台日系企業の春節ボーナス(年終奨金)は、前年並みの支給水準を予定する企業が大部分のもようだ。今年通年で3割以上の減益を見込む企業が全体の22%に上るものの、台湾企業ほどは業績をボーナス支給額に大きく反映させない傾向が明らかになった。
 
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 ワイズコンサルティングが在台日系企業161社を対象に11月20日~12月10日に行った調査によると、年1回ボーナスを支給する企業(全体の38%)では、春節ボーナス支給予定額は、▽1カ月未満、3%(前年0%)▽1~2カ月未満、29%(25%)▽2~3カ月未満、29%(46%)▽3~4カ月未満、10%(13%)▽4カ月以上、9%(11%)──という結果になった。「2~3カ月未満」が前年より17ポイントも減少しているが、今年は「無回答」が昨年の5%から20%と大幅に拡大しており、昨年「2~3カ月未満」を支給した企業が、今年は調査時点では検討中だったものとみられる。
 
 春節ボーナスと合わせて年2回ボーナスを支給する企業(全体の51%)は、合計支給月数は前年とほぼ同じという結果になった。 日系企業では、今回のような景気低迷時でも「ボーナス支給なし」まで踏み切る企業はかなり少ないもようだ。ワイズコンサルティングの宮本美子シニアコンサルタントは、「景気の減速は今年の下半期からで、上半期は業績が好調だったため、通年ベースでは大きな打撃を受けずに済んだ企業も少なくないようだ。電子業界以外ではそれほどひどい影響は出ていないという声も聞く」と指摘する。一方、来年の見通しについては、「業績が落ち込み、ボーナス支給額も引き下げざるを得ないという悲観的な見方が早くも出ている」と語った。
 
日系製造業の6割、マイナス成長予測
 
 同調査によると、今年度の売上成長率がマイナスになると予想する企業は41%、減益を予測する企業は46%とそれぞれ半数近くに迫った。  業種別では、製造業の約60%が売り上げ、利益ともにマイナス成長を予測。一方、個人消費の不振の影響が伝えられている小売業では、減収予測が30%余り、減益予測も40%余りにとどまり、日系の他業種や台湾小売業と比べれば健闘しているようだ。
 
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春節ボーナス予想、平均1.07カ月
 
 一方、台湾企業では、景気悪化と先行き不透明感から、今年度の春節ボーナス支給額は大幅に減少するもようだ。求人情報大手の104人材銀行、1111人材銀行の予想によると、全体では前年度の平均1.61カ月から平均1.07カ月へと低下。業種別では高い順に、▽金融・保険、1.73カ月(前年2.60カ月)▽製造、1.10カ月(1.65カ月)▽建設、1.10カ月(1.65カ月)▽卸売・小売、1.05カ月(1.58カ月)▽電子、1.05カ月(1.57カ月)──となっている。
 
 台湾では法律で、利益を計上した企業にボーナス支給が義務付けられている。そのため業績をボーナスへ強く反映させる傾向があり、「赤字になればボーナスをゼロとすることも珍しくない」と、ワイズの陳逸如コンサルタントは指摘する。
 
 不景気を身に染みて感じている従業員らは、ボーナス減少に対する心の準備は既にできているようだ。ヤフー奇摩民調中心の調査によると、「今年度のボーナスはゼロ」と予想している被雇用者は35.3%。「急減」が15.8%、「微減」12.2%で計28%だ。「前年並み」は23.6%で、「急増」「微増」の合計はわずか13%だ。
 
【図】