国民党の李慶安立法委員をめぐる二重国籍疑惑で、米国務省による李委員の米国籍保有を確認した文書が24日、明らかにされた。文書は「米国旅券を保有しており、米国の国民だ」とした上で、国籍を喪失した記録もないと指摘している。25日付自由時報が伝えた。
李委員は1994年に台北市議員に就任した際、台湾の公職に就いたことで、米国籍は自動的に喪失したなどと主張していたが、米国側の回答文書は李委員が米国籍放棄の手続きを完了させていなかったことを示すもので論議を呼んでいる。
文書は二重国籍を持つ米国国民が外国政府の公職に就き、外国政府に忠誠を誓うと同時に米国籍放棄を意図していたとすれば、「米国籍を放棄する行為を既に行った可能性がある」としたが、旅券保有を理由に米国籍は放棄されていないとの判断を下した格好だ。
野党民進党は「李委員は十数年にわたり台湾人をだましてきた。直ちに議員資格を停止し、公職で得た1億1,000万台湾元(約3億円)の所得を返還すべきだ」などと非難をエスカレートさせている。
李委員の二重国籍問題は今年3月に週刊誌「壱週刊」が報じたことで明るみに出た。今年6月に同誌は李委員が2000年に米国旅券を更新しており、米国籍を自動的に喪失したとの主張と矛盾しているなどと報じていた。
李慶安立法委員は、かつて李登輝元総統のライバルだった李煥・元行政院長の娘の二世議員。以前は台北市長の候補の一人に目されるほどの人気があった(24日=中央社)