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グーグルのAIインフラ研究開発拠点、台北市士林区に開設【図表】


ニュース 電子 作成日:2025年11月21日_記事番号:T00125447

グーグルのAIインフラ研究開発拠点、台北市士林区に開設【図表】

 米グーグルは20日、台北市士林区でAI(人工知能)インフラ研究開発(R&D)センターの運用を開始した。従業員は数百人規模、実験室は10室以上で、米国の本部に次ぐ2番目の規模だ。世界各地のデータセンターで使用するため、電源やサーバーなどのハードウエアやソフトウエアの研究開発やテストを行う。グーグルは、台湾にはサプライチェーン(供給網)や人材が集まっており、プロジェクトの開発時間が40%短縮できると説明した。21日付工商時報などが報じた。

/date/2025/11/21/01googletaiwan_2.jpg頼・総統(左3)は、台湾は世界水準の半導体産業クラスター(集積地)、高い素質の研究開発人材、健全な知的財産権制度を備えており、AI発展に最適だと語った(20日=中央社)

 グレッグ・ムーア・グーグルクラウドプラットフォーム研究開発総経理は、AIインフラ研究開発センターの本部は米国にあるが、2020年には台湾に関連する研究開発の実験室を設立しており、今や人数が4倍になったと説明した。

■設計から出荷までカバー

 台湾のAIインフラ研究開発センターは、クラウドインフラ製品の設計などの研究開発から、最終製品の出荷までを担う。グーグルの世界各地のデータセンターで使用するため、主に電源、サーバー、マザーボード、冷却部品やソフトウエア、データストレージの研究開発を行い、機械学習向けプロセッサー(TPU)の研究開発も行う。

 ムーア・総経理は、グーグルが今年発表したTPU第7世代モデル「Ironwood(アイアンウッド)」や次世代の半導体はいずれも台湾のサプライヤーが協力していると説明した。報道によると、アイアンウッドはファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が生産するとみられている。

 ムーア・総経理は、台湾はハードウエアとソフトウエアの人材やサプライチェーンを有するほか、彰化県など各地に数時間で移動できると指摘した。開発した製品を世界各地のデータセンターに配送する前に、厳格なテストや検証を行うと説明した。プロジェクトの時間は平均40%短縮でき、予想を大きく上回る効率だと語った。

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 グーグルは13年、アジア太平洋地域で初めて、彰化県にデータセンターを設置した。21年に新北市板橋区の台北遠東通訊園区(Tパーク)に、ハードウエア研究開発オフィスビルを設置し、24年にTパークで2棟目のハードウエア研究開発センターを設置した。

■世界5位のAIアイランドへ

 頼清徳・総統は20日の開幕式典に出席し、グーグルの台湾での事業展開は、台湾が世界のテック産業のサプライチェーンにとって重要なこと、安全で信頼できるAIを構築するための重要なハブであることを示していると述べた。

 頼・総統は、台湾を「AIの島(AIアイランド)」にするため「AI新十大建設計画」を推進しており、40年までにAIの生産額を15兆台湾元(約75兆円)以上に引き上げ、AI関連の雇用機会を50万件創出すると表明した。国際水準のAI実験室を3基設置し、世界5位以内の計算能力を実現する目標を掲げた。

 

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