大手企業で無給休暇の実施が相次ぎ、従業員の収入に深刻な影響が出る中、行政院は25日、無給休暇の対象となった従業者に休暇中に職業訓練を受けさせ、1時間の受講に対し100台湾元(約276円)の補助金を支給する「充電加値計画」の実施を決議した。来年2月1日から施行、期間は最長6カ月間で、1人当たり手当ての最高額は月1万元となる。労働者16万8,000人に対し、無給休暇による生活への影響を和らげることが期待されている。26日付工商時報などが報じた。
同補助計画の対象となるのは、労使協定に基づき毎月24時間(3日間)以上の無給休暇の対象となった労働者で、勤め先の企業から毎月最低24時間、最高で100時間の職業訓練を受講をすることにより補助金が支給される。
行政院労工委員会(労委会)職業訓練局の鐘錦季組長によると、訓練は▽コミュニケーション技術▽うつ病防止▽財務管理──といった労委会が必須項目とするもの以外、9割以上を企業側自らが企画する。ただ認められるのは企業内訓練のみで、外部での訓練に補助が認められない。
企業側にも訓練費を補助
企業に対しても、職業訓練費用の100%補助を原則とし、▽中小企業に最高95万元▽大企業に最高190万元──を支給する計画だ。労委会では補助対象となる企業数を約5,600社(中小企業5,000社、大企業600社)とみている。
また、労委会の王如玄主任委員によると、同計画に参加する企業は、▽訓練を受けている従業員を解雇してはならない▽訓練の受講によって得た手当に無給休暇実施中の月給を加えたものが、休暇前半年間の月給平均額を超えてはならない──という条件が設けられる。
この「充電加値計画」にかかる総経費約160億元は、就業安定基金から捻出する計画で、同基金委員会で30日に決議される予定だ。
労使協定の模範例を公開
労委会は25日、労使双方が無給休暇について協議する上で参考となるよう、「労雇双方協商減少工時協議書(就業時間低減に関する労使協定合意書)」のフォーマットをホームページ上で公開した。
労委会は同フォーマットを公開する際、▽無給休暇を実施するに当たっては「規則性」が必要で、「今週某日は無給休暇にする」などと突然命じることはできない▽無給休暇期間の満了後、延長する場合は従業員の同意が必要▽新制労工退休金の積み立ては無給休暇前の月給に基づいて納める──などの要点を示した。
また、無給休暇中の兼職についても労委会は、「労働者の基本的生活を守るため、もともとの労働契約に違反しないこと、および職業訓練の受講を前提に、労使間で兼職の可否を協議することができる」という判断を下した。
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