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インフレ終結、今年は一転デフレに?


ニュース その他分野 作成日:2009年1月6日_記事番号:T00012634

インフレ終結、今年は一転デフレに?

 
 昨年猛威を振るったインフレが終結した。12月の消費者物価(CPI)の前年比上昇率は1.21%で、2007年8月以来の最低となった。ピークだった昨年7月の5.92%からは4.71ポイントもの下落。原油をはじめとしたエネルギーや原材料価格の大幅下落が数値に反映した形だが、インフレ時に値上げされた物品の値下げは現段階でそれほどみられないようだ。行政院主計処では今年通年のCPI上昇率の予測値を0.37%以下としており、物価安定が見込めるもようだが、一方で早くもデフレ突入への懸念の声も出ている。6日付中国時報などが報じた。
 
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通年で3.52%上昇
 
 昨年は6~8月、CPI上昇率が3カ月連続で4.5%以上の高い数値となった結果、通年上昇率は3.52%と、一昨年から1.72ポイント上昇した。主計処第3局の呉昭明科長によると、上昇分の75%を食品・エネルギーが占めている。
 
 8月以降はエネルギー・原料価格が大崩れし、CPIも7月をピークに12月まで5カ月連続で下落。物価上昇圧力は大きく緩和した。
 
 12月のCPI上昇率が過去17カ月で最低となった要因について主計処では、冬季野菜の好収穫で価格が下落したことや、原油価格の下落に伴う域内各種エネルギー価格の低下、百貨店の年末の特売による衣料品価格の値下がりなどを挙げている。

 12月は卸売物価指数(WPI)の前年比下落率が9.11%に達し、99年2月以来で最大の下げ幅となった。しかし、メーカーや小売業者は高値で購入した在庫の消化が終わっておらず、末端価格への反映は一定の時間がかかる見通しだ。なお、昨年通年のWPI上昇率は5.22%だった。
 
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主計処は懸念否定
 
 CPIの急落ぶりに、域内の研究機関からは早くもデフレ懸念論が出ている。
 
 中央研究院経済所の呉中書研究員は、「経済成長の鈍化、失業率の上昇、物価の下落など既にデフレの前兆が出ている。景気後退の調整局面が長引くほど、デフレ圧力は強くなる」と警告する。宝華経済綜合研究院の梁国源院長も「CPI上昇率がマイナスに転じれば、強いデフレ圧力になる」と語る。
 
 こうした意見について主計処の呉科長は、「国際通貨基金(IMF)は2年連続で物価が下落することを定義としている。現時点でのデフレ傾向はみられない」と懸念を否定。▽生産能力の過剰▽資産の縮小▽信用収縮──の3点の指標も確認が必要だとした。
 
 しかし今後、需要減退と供給過剰による物価下落が続けば、生産活動に悪影響を与え、給与や株価、失業率などの悪化を招くため注意すべきと指摘している。
 
【図】