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作成日:2009年2月23日_記事番号:T00013539
国民党党史館、中国人観光客にひそかな人気

昨年7月の中台週末直航チャーター便就航以来、故宮博物院や中正紀念堂、台北101ビル、日月潭(南投県)や阿里山(嘉義県)など有名な観光スポットで中国人観光客の姿を見掛けることが多くなった。
実は、これら観光スポットのほかに、中国人観光客の間でひそかな人気を呼んでいるのが、台北市内にある中国国民党の中央党部と党史館(国民党旧中央党部=現・張栄発基金会の6階)だ。
中央党部で人気なのは、今年1月から開放されている1階の「国民党党史展覧ホール」。ここには、19世紀から3世紀に渡る歴史的文物90点余りと、写真250枚が展示されている。国民党114年の歴史を知ることができるとあって、ツアーを抜け出して見学に訪れる中国人観光客もいるほどだという。
中国人観光客が最も関心を寄せるのは、中国ではほとんど見ることができない毛沢東が国民党にかかわっていた時期の史料や、孫文にまつわる文物など。
毛沢東が中国国民党農民運動講習所所長として書いた直筆の手紙や、国民党上海執行部の決算書に書き残された毛沢東の月給の記録、孫文の三民主義思想の手稿、現存する唯一の孫文の肉声である、1924年に行った演説を録音したテープなどが注目されているとか。
党史館は毎週平均1~2団体が見学に訪れており、これまでに訪れた中国人観光客は延べ約1,000人に上るという。
党史館が販売するキュートなミニフィギュアも人気の的だ。一番人気は、宿敵だった蒋介石と毛沢東がにこやかに肩を組むフィギュアで、1個600台湾元(約1,610円)。中国では政治家のフィギュアを作ることはまだ考えられないこともあってか、発売から1カ月で1,000個が完売し、追加製作した1,000個も既に半分以上売れたという。ほかにも孫文と宋慶齢夫婦、蒋介石と宋美齢夫婦といった歴史人物のフィギュアがあり、中国人観光客のみならず、日本人観光客にも大変人気だという。