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作成日:2009年2月23日_記事番号:T00013549
生保業界、低金利で純資産激減続く
台湾生保業界は、相次ぐ利下げに伴って過去の高金利保険商品の利払い負担がかさみ、純資産がマイナスに落ち込むところも出ている。21日付工商時報が伝えた。
保険業界関係者によると、過去には予定金利9~10%の保険商品が多く、当時は定期預金金利が7~8%だったことから人気商品だった。しかし、世界的な金利水準の低下で、資金運用は厳しさを増しており、利ざやは大きく縮小した。
大手生保のうち、2007年末に純資産が1,000億台湾元(約2,684億円)を超えていた国泰人寿保険(キャセイライフ)と南山人寿保険は昨年9月末の純資産がそれぞれ707億2,500万元(42.66%減)、680億3,100万元(33.85%減)まで減少した。中小生保の状況はさらに厳しく、中国人寿保険への事業譲渡が決まった保誠人寿保険(プルデンシャル)はマイナス7億7,600万元、全球人寿保険(エイゴン)がマイナス14億3,800万元など純資産割れを起こすところが出てきている。
このため、昨年2回にわたり増資を行った保険会社は、南山人寿、三商美邦人寿(マスミューチュアル生命)、全球人寿、国際紐約人寿保険(ニューヨーク生命保険)、大都会人寿保険(メットライフ生命)、宏利人寿(マニュライフ)の6社に達した。
純資産低下は増資で補うしかないのが現状で、今年も生保各社による増資の動きが相次ぐ見通しだ。