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作成日:2009年3月2日_記事番号:T00013702
陳水扁前総統、シンガーソングライターに挑戦
国務機密費横領や資金洗浄(マネーロンダリング)など4つの罪で起訴され、台北看守所に収監中の陳水扁前総統は、先ごろ自作の台湾語の歌詞に、本土派シンガーソングライターの王明哲が作曲した『台湾歌』4曲を完成させ、自由の身になれば自分が歌い手となることも考えているという。2日付蘋果日報が伝えた。
陳前総統の作詞した曲は、バラードが2曲、ブルース・ロックとマーチが各一曲で、どれも▽台湾は永遠に私たちの家▽私たちは台湾の主人▽外来政権の統治で先人は犠牲となった──など、台湾の主権や独立を訴える内容となっている。また、マーチは「台湾は台湾、中国は中国」「台湾人よ、独立の未来を求め、立ち上がろう」といった歌詞で、作曲者の王明哲は、どれも運動にふさわしい出来上がりだと述べている。
一方、戒厳令時代に起きた弾圧・迫害事件(いわゆる「白色テロ」)で家族を惨殺される悲劇に遭った民進党の林義雄元主席は、陳前総統について意見を求められた際、「『陳さん』の社会的評価は既に固まっており、彼について語る意義はまったくない」と、突き放した。
民進党の高雄党部では台湾全土で最も多い5万人の党員が党費を納めていたが、現在は1万8,000人まで減少しているという。ある党関係者は、陳前総統の汚職疑惑によって多くの党員の信頼が失われ、新たな入党者の募集も難しくなっていると厳しい内情を語った。